米国内の太陽光、ほとんどが輸入品に

 米国エネルギー省・エネルギー情報局(Energy Information Administration:EIA)によると、2016年に米国に輸入された太陽電池を国別にみると、その3分の2は、マレーシア、中国、韓国の3カ国が占めたことが明らかになった。

 1999年まで米国は世界太陽電池生産の大半を担っていが、その後、日本、ドイツ、中国などに抜かれた。2010年には海外からの太陽電池輸入量が2GW-DCになり、2016年には輸入量が13GW-DCまで拡大した(図1)。

図1●米国国別太陽電池モジュール輸入量推移(2010~16年)
図1●米国国別太陽電池モジュール輸入量推移(2010~16年)
(出所:Energy Information Administration)
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 太陽電池の輸入量は、セル(発電素子)とモジュール(パネル)容量の合計で単位は直流 (DC)で公表される。一方、太陽光発電システムの設置量は、 系統網に供給される連系出力のため、交流(AC)で報告される。ちなみに、 連系出力を超える容量のモジュールを設置することも多いため、DCで報告される容量値はACで示される出力値より10~30%多くなる。

 2016年に米国では8GW-ACの発電所用太陽光発電所と3GW-ACの分散型太陽光発電システムが設置された。この設置された連系出力の11GWを輸入量換算と同じ太陽光パネル容量にすると、約14 GWに相当する。2016年の太陽電池輸入量が13GW-DCなので、米国国内に設置された太陽光パネルのほとんどが輸入品であったことを意味する。