韓国LG Display社が2016年10月26日に発表した同年第3四半期(7~9月期)決算は、売上高6兆7240億ウォン(前年同期比6%減、前四半期比15%増)、売上総利益9400億ウォン(前年同期比10%減、前四半期比54%増)、営業利益3230億ウォン(前年同期比3%減、前四半期比634%増)、当期利益1900億ウォン(前年同期比5%減、前四半期の赤字から黒字転換)と、ほぼ前年同期並みとなった。

 売上総利益率は14.0%(第2四半期は10.4%)、営業利益率は4.8%(同0.8%)、当期利益率は2.8%(同-1.4%)で、1年ぶりの水準に回復。為替の悪影響があったものの、大型パネル分野の全面的なパネル価格上昇や、季節的な需要増、テレビ用パネルの大型化による製品構成の改善などが、収益にプラスに影響した。

 第3四半期のパネル出荷面積は1086万m2(前年同期比10%増、前四半期比9%増)となり、第2四半期決算時のガイダンス(第2四半期比1桁半ば%の増加)を上回った。良好な需給環境のなか、生産性の改善や中国広州工場(第8.5世代)の増産により、前四半期比で増加した。

 パネル面積当たりの米ドル建て平均販売単価(Blended ASP)は555米ドル/m2(第2四半期は504米ドル/m2)。32型や43型などテレビ用中型パネル、モニター、NB向けなど大型パネル価格が全面的に上昇したことにより、Blended ASPは前四半期から10%上昇した。製品構成の改善(大型サイズ比率の上昇)も引き続きASP上昇に寄与した。

 用途別売上構成比は、テレビ39%(第2四半期は39%)、モニター16%(同16%)、ノートパソコンおよびタブレット端末18%(18%)、モバイルその他が27%(同27%)で、前年同期、前四半期と全く同じ構成だった。そのため、計算される金額ベースの増収率はいずれのアプリケーションも連結数値に一致し、前年同期比では6%減、前四半期比15%増となった。同社は、すべてのアプリケーションでASPおよび出荷数量が前四半期比で改善したと述べた。

 第3四半期末の在庫水準は、回転日数(期首期末平均、売上原価ベース)で39日(第2四半期末は43日)へ低下、金額ベースでは前年同期比13%減、前四半期比2%増と低水準となった。