真ん中の人物がPantera Capital社 CEOのDan Moorehead氏
真ん中の人物がPantera Capital社 CEOのDan Moorehead氏
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 2015年にシリコンバレーで話題になった技術に、仮想通貨「Bitcoin」で利用されている「Blockchain」がある。Blockchainには、書き換えができないパブリックなデータベースの技術として、Bitcoin以外のアプリケーションへの利用が多数提案されている。

 例えば、2015年11月4日の米DigitalGarageがサンフランシスコ市で開催したイベント「Future of Digital Currency」では、Blockchainを用いたパスポートなどの識別の話から仮想のトークンといった認証の用途など多くの話題が取り上げられた。

 同イベントに参加した、Blockchain関連企業に投資するベンチャー投資企業である米Pantera Capital社 CEOのDan Moorehead氏は、書き換えが不可能であることを魅力として、無線通信装置メーカーが興味を持っているという。

音楽業界にBlockchain

 音楽関連サービスを手掛けているベンチャー企業の米Dubset Media Holdings社は、Blockchainの技術を既に導入をしている。Dubset社は、複数の楽曲を編集して一つの曲に構成する「マッシュアップ」と呼ぶ手法の音楽で、それぞれの楽曲要素を認識できる技術を持っている。同社は、こうした楽曲要素の著作権保有者に対して、使用状況を補足するプラットフォームとして、Blockchainの技術を採用しているという。

 Dubset社 CEOのStephen White氏によると、同社の技術はマッシュアップの音楽をはじめ、構成されている楽曲要素の再生件数などの情報を補足できるとしている。「Blockchainの技術によって、使用状況の情報が各関係者に明確になり、利用料を支払う時間の短縮につながる」(White氏)とする。

 音楽業界には、Blockchainの技術を導入している企業が他にもあるという。「現在の音楽業界は、何十年も前に確立されたインフラに未だに頼っている。我々は音楽業界にイノベーションを供給し続けられる」(White氏)と意気込む。