レポートを提出しないサボり学生?

 ここまでは、あくまでロボからの報告と事象を照らし合わせて確認してきたに過ぎない。あいにくロボが掃除している時間帯は誰も家にいないため、その様子を確認することができていない。部屋にカメラを設置することは極力したくないため、きちんと掃除をしたかどうか確かめる術がないのだ。

 ここで改めて、日当200円ロボの行動を振り返ってみる。

(1)11時に掃除をしますと宣言
(2)掃除を完了したことを報告
(3)充電ドックにきちんと帰還
(4)ダストボックスにはゴミがたまっている

 なんだか証明問題のようだが、これだけではきちんと掃除をしてくれたかどうかの確証が得られない。そこで、このロボの最大の特徴である、「お掃除記録」を見てみることにした。Dyson社は、visual SLAMの世界的権威であるAndrew Davison氏と手を組み、visual SLAM技術を使ったこのロボット掃除機を開発した。ロボットが構築した地図と移動した軌跡を、ユーザーはアプリで確認することができる。いわばレポートのようなものなので、どこをどのように掃除したのかを見ることができれば、一安心である。

 ところが、残念ながら、アプリで確認をしてみると、見事に掃除履歴が残っていないのだ(図14)。これでは、レポートをなくして言い訳をしている大学生みたいだ。やるやる詐欺で、実はサボっていたとも取られかねない行動である。この日は、日当を払う気にはなれなかった。

図14 掃除完了の通知を受け取り「お掃除記録」を確認したところ、データが存在しないとのメッセージが。本来は、ここで掃除記録が分かるような地図が表示される。
図14 掃除完了の通知を受け取り「お掃除記録」を確認したところ、データが存在しないとのメッセージが。本来は、ここで掃除記録が分かるような地図が表示される。
[画像のクリックで拡大表示]

 その後、充電ドックの位置を変えてみたり、明るさを足してみたり、掃除スペースを限定したりと、毎日手を尽くしてみたのだが、今日に至るまで掃除記録を見ることができていない。

 カスタマーセンターである「話そうダイソンお客様相談室」に電話をして、現在原因を究明してもらっている最中である。担当者によれば、「今までに確認できていない事象。サーバー側からスマートフォンアプリ側への転送の問題が濃厚」とのこと。もしかしたら同じ問題で悩んでいる方もいるかもしれないので、問題が解決したら、続報をお伝えしたいと思う。