2020年の商用化を目指して、移動通信の標準化団体3GPPで第5世代移動通信システム(5G)の本格的な議論が2015年末から始まります。最近、5G関連のニュースを目にすることが多いと思いますが、世論形成によって今後の議論を自社に有利に進めたいという各社の思惑があります。ここまで読んで「何5G?、単にスマホの通信が速くなるだけでしょ。今の業務には関係ない」と思った方もおいでかもしれません。もう少しだけ、お付き合いください。

 現時点では、その感覚は正しいと思います。現在の5Gの議論の中心は、無線通信方式にどのような技術を盛り込むかです。直接的に関係あるのは、移動通信事業者と、移動通信の基地局を開発しているベンダー、端末の通信モデムを開発しているメーカー、あるいはこうしたメーカーに部品を供給する企業ぐらいでしょう。

 ただ、5G開始後の2020年以降を考えたら、そうは言ってられないと記者は考えています。5Gの動向は、すべての産業に関係があるからです。今から、5Gの動向に注視しておき、5G到来後の世界を考えて自社の業務にどのように使うか/使わないかを考えておいて損はないはずです。