円形舞台と円筒形スクリーン

 もう1つ、SOLIDWORKS WORLD 2017の基調講演で特徴的だったのは、360度客席に囲まれた円形の舞台であったこと(図4)。漏れ聞いたところでは、最近の流行りなのだそうです。通常だと舞台の背後にあるスクリーンは、円筒状に舞台上空を取り囲むように設置されていました。

図4 円形の舞台と、それを取り囲む円筒面のスクリーン
図4 円形の舞台と、それを取り囲む円筒面のスクリーン
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 ただ筆者はこれを見た瞬間「いつもの手が使えない――」と心の中でつぶやいていました。実はCADの新機能のニュースなどでは、CAD画面は極力長方形にしています。CADに限らずコンピューターの画面はもともと長方形だからですが、スクリーンに投映された像はどうしても斜めから撮影することになって、ゆがんだ四辺形になります。これを無理やり力づくで長方形にしておりました(例えばこちらとか、こちら。応用例としてはこちら)。

 力づく、というのは自動機能などが使えるわけではなく「画面の四隅を指定して領域を選択」→「近くのグリッドに四隅を合わせて長方形にする」→「切り取る」→「縦横比を9:16か3:4にする」という操作を1枚1枚やっていたわけです。これをやっても、だれもほめてくれないばかりか「働き方改革」的にはムダな作業と認定される恐れの方が高く、むしろこっそりやっておりました。しかし円筒面のスクリーンでは、そもそもこの補正操作が通用しません。かくして今回の海外出張では、本人の意思と無関係なところで画像修正作業から解放されてしまいました(例えばこちら)。

* 「Photoshop」の「編集>変形>ワープ」が使えれば対応できなくもないようですが...。

 会場のLos Angeles Convention Centerは、実は並行して第59回グラミー賞の授与式(2017年2月12日)に関連するイベントでも使われていました(図5)。グラミー賞授与式の会場はConvention Centerの隣にあるStaples Centerで、その間の通路が規制で通行できず、SOLIDWORKS WORLDの参加者は迂回を強いられておりました。

図5 Los Angeles Convention CenterのWest Lobbyにあったグラミー賞関連の案内
図5 Los Angeles Convention CenterのWest Lobbyにあったグラミー賞関連の案内
SOLIDWORKS WORLDの入り口はSouth Lobbyだった。
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