「CEATECの“C”はコンシューマーのCじゃないって、ご存知でした?」

 先日、「CEATEC JAPAN」の主催団体の一つであるJEITA(電子情報技術産業協会)に御挨拶に伺ったときのこと。企画担当の方とお話ししているときに、冒頭の話題になりました。

CESと同じじゃなくて…

 恥ずかしながら長年、私はてっきり、民生機器分野を意味する「コンシューマー(consumer)」の頭文字の「C」だと思いこんでいました。米ラスベガスで毎年1月に開催される「International CES(Consumer Electronics Show)」と同じ「C」だと…

 しかし実際には「Combined Exhibition of Advanced Technologies」がCEATECの英語表記で、Cは「Combined」の頭文字というのが正解でした。CEATEC JAPANは2000年10月が初開催ですが、それまでにあった「エレクトロニクスショー」や「COM JAPAN」といったイベントを統合して開催するという意味が込められているそうです。

 「ということは、CEATECは民生機器に縛られないのですか?」と聞くと、「そうなんです。その時代にあった最先端の技術を一堂に集めるというのがCEATECのコンセプトなんです」と熱いメッセージを頂戴しました。

 昨今、国内のエレクトロニクス業界では、テレビや携帯電話、デジタル家電など民生機器分野が不調で、多くの企業がインフラ分野や自動車、医療・ヘルスケアなど新分野を志向しています。こうした流れを受け、かつては「デジタル家電の祭典」と言われていたCEATECの位置づけも変わってきました。ここ数年、自動運転など自動車メーカーの取り組みが目立つほか、産業用機器や災害監視など展示内容も広がっています。

 ちょうど先週、実施協議会から発表された2016年開催の「CEATEC」概要によれば、CEATECは「CPS/IoT」を志向する展示会に生まれ変わるとのことです( ホームページ)。ここで「CPS」は「サイバーフィジカルシステム」の略。サイバー空間に実世界システムに類似したものを構築し、「分析結果を現実世界にフィードバックして」(前出のホームページ)新たな価値を生み出そうとするものです。自動運転のようなアプリケーションにおいて、インフラに組み込まれた無数のセンサー情報を基に、クラウドコンピューティングを活用して安全運転を支援するようなシステムが想定されます。