「理財商品」、という言葉を覚えている読者も少なくないと思う。中国における高利回りの金融商品のことだ。証券会社やヘッジファンドなど銀行ではない金融機関が6~10%などという高利をうたった理財商品でカネを集め、これを銀行から融資を受けられない中小企業に20~40%という高利で貸し付ける、いわゆる「影の銀行」「シャドーバンキング」と呼ばれる行為が中国では盛んに行われていた。ところが、高度成長に陰りが見え始めた2013~2014年あたりにかけて、理財商品にデフォルト(債務不履行)の恐れが出始め、中国経済の大きなリスクの1つにも数えられたということは、当時、日本でも盛んに報じられた。

 こうした背景もあって、理財商品という言葉に危ういイメージを抱く人が日本では多いのではないかと思う。ただ、冒頭でも書いたように、理財商品(中国語では理財産品)とは金融商品、資産運用商品のこと。だから当然、理財商品は影の銀行だけではなく銀行でも扱っている。そして、企業には余剰資金を理財商品で運用するところもある。

さまざまな理財商品を売り出している中国の銀行(上海浦東発展銀行の支店店頭)
さまざまな理財商品を売り出している中国の銀行(上海浦東発展銀行の支店店頭)
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