5.転写シートによる塗装
ヘルメットの帽体にデザインを施すには2つの方法があります。転写シールを貼る方法(転写デザイン)と、マスキング塗装による方法です。
転写デザインは、1枚のシートに1個分のさまざまな模様が描かれたものを使います(図12)。簡単にいえば、パウチシールを貼る感覚です。転写シートを水に漬けて台紙と分離させ、1つずつ人の手によって指定位置に置き、しわを伸ばしながら貼ります(図13)。熟練者でも1日20個仕上げるのが限界です。
転写マークは薄いため、曲がったり、伸びすぎて色ムラができたり、空気の泡の侵入により乾燥後膨らんでしまったりしがちです。熟練者でなければ何度も貼り直しになってしまい、作業は進みません。
もう1つの仕上げ法であるマスキング塗装は、塗料を乗せたい場所以外を隠すマスキングを貼って、塗料を吹き付けます。1色ずつマスキングを貼り替えながら塗装していくため、8~9日を要するそうです。