レガシー共創協議会の様子
レガシー共創協議会の様子

 2017年5月23日に開催された三菱総合研究所主催の「レガシー共創協議会」で、「ワールドマスターズゲームズ2021関西」(以下、WMG関西)の取り組みについて同大会の組織委員会から現状報告があった。開催に向けた機運醸成のためのオフィシャルサポートプログラム「Team Do Sports」を新たに設定することなどを明らかにした。

レガシー共創に向けて

 レガシー共創協議会は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、どのようなレガシーを作り、残すべきかを企業主体で考え、実践していくためのプラットフォームとして2014年に発足。現在は、206団体が参加している。40以上の自治体、国の省庁がオブザーバーとして参加しているのが特徴的な点で、自治体をフィールドにした実証実験や事業展開も進められている。

 また、ターゲットを2020年に絞ることなく、2019年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会から、2021年のWMG関西までの3年間を「ゴールデン・スポーツイヤーズ」として、幅広いレガシー創出を目指しているのも特徴だ。ちなみに、協議会の会長はこの「ゴールデン・スポーツイヤーズ」を提唱する間野義之氏(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会参与、早稲田大学スポーツ科学学術院教授)が務めている。

 WMG関西については、全体会で定期的なレポートを受けており、連携した活動を展開したいとしている。この日は、関西ワールドマスターズゲームズ2021組織委員会 企画調整部長の東直也氏が登壇し、現状の報告を行った。

スポーツを“する”楽しみ

関西ワールドマスターズゲームズ2021組織委員会の東直也氏
関西ワールドマスターズゲームズ2021組織委員会の東直也氏

 東氏はまず、2017年4月21~30日にニュージーランドのオークランドで開催された大会の様子を交えながら、WMGの特徴を紹介。WMGは4年に1度開催される、グローバルな一般向けスポーツ大会である。おおむね30歳以上であれば誰でも参加できるもので、「オリンピック・パラリンピックは“見る”大会だが、こちらは“する”大会」と東氏は話す。オークランド大会では、100カ国から同伴者・競技者を含む2万6378人が参加。日本からも383人が参加している。

 100チーム以上が出場する競技があり、年齢の幅も広い。オークランド大会の最高年齢はインドの101歳の女性で、100メートルを完走。年代別にメダルが授与されることから、彼女も見事に金メダルを受賞した。競技は健常者、身体障がい者で分かれてない“インクルーシブ”さも特徴だ。

※ 表彰については、健常者と身体障がい者のそれぞれに用意する。

 また「非常に自由なところ」もWMGの良いところだと東氏は言う。「とにかく参加する人が楽しむ大会で、レクリエーションレベルで楽しむ人から、ハイレベルの人たちまで、楽しみ方は自由。アフターの時間がとても長くて、いろいろなところで楽しめるようにもなっていた」(同氏)。閉会式にはビールで祝杯を上げる参加者もいたという。