“ゴールデン・スポーツイヤーズ”のメリット

(図:「ワールドマスターズゲームズ2021関西」の公式サイトより)
(図:「ワールドマスターズゲームズ2021関西」の公式サイトより)

 WMG関西は昨年ようやく各競技の開催地の詳細が決まり、本格的な活動がスタートしようとしている。大会は16日間で一斉に開催されるため、非常に広域にまたがることになる。開催地決定に時間がかかったのはそのためだ。

「広域開催ということで、スケールメリットもあるのだが、スケールデメリットもなかなか大きい。これが今後の私たちの課題だと思っている」(東氏)

 ゴールデン・スポーツイヤーズの流れで、東京オリンピック・パラリンピックで使用した道具類などを活用することについての検討も始まった。

 2014年12月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で採択された「オリンピック・アジェンダ2020」の「提言6」で示されている「他スポーツイベントとの緊密な協力」に基づき、2016年11月にはIOCと国際マスターズゲームズ協会(IMGA)が覚書を交わし、今後オリンピック開催の翌年に同じ都市でワールドマスターズゲームズを開催することの検討も開始している。今回の東京→関西の流れは世界的にも初めてのテストケースとなり、「世界各国からの注目度も高い」(東氏)という。

「Team Do Sports」結成を

(図:東氏のプレゼン資料より)
(図:東氏のプレゼン資料より)

 また、東氏は「関西大会ではハードをレガシーとして残すのではなく、ソフトに力を入れたい」とし、そのポイントが「人的交流」にあるとしている。日本再興戦略の「第2期スポーツ基本計画」において、初めて「ワールドマスターズゲームズ」の名称が記載された。基本計画が示す4つのポイントのうち「『する』スポーツ」として期待されているばかりではなく、「スポーツを通じた活力があり、絆の強い社会の実現」でもWMGが果たすべき役割は大きいと東氏は話す。

「WMGは、世界からスポーツをする仲間が集まる大会。大会開催までの準備を含め、仲間作りを促進し、交流する仕組みを作りたい」(東氏)

 そこで用意したのがコミュニケーションプラン「Team Do Sports」。参加や協賛・協力する個人、企業、団体が申請し、宣言すればロゴを使用することができるもので、チーム結成のアイコンに使用する。機運醸成、モチベーション向上、大会の認知向上にも役立てたい考えだ。申請後審査はあるが、「ハードルは低く、できるだけ多くの人に利用してもらいたいと考えている」と東氏。

 そして最後に、「関西大会は、東京オリンピック・パラリンピックの後の日本をつくる、その一翼を担うものだと考えている」と話し、協議会参加者に関西大会への協力を呼び掛けて講演を締めくくった。