浜村氏は「eスポーツ大会の実績を積んだことで、ナショナルクライアント(全国レベルのブランドを持つ広告主)の関心が高まっている。潮目が変わり、eスポーツがようやくビジネスとして大きく育つ状況が整ってきた」と手応えを語る。

プロライセンス整備で選手の地位向上

日本eスポーツ連盟の古澤明仁理事
日本eスポーツ連盟の古澤明仁理事
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 「どんなに遅くとも2018年にはeスポーツのプロライセンス制度を形にしたい」と意気込むのは、日本eスポーツ連盟の古澤明仁代表理事。同連盟は広告会社のSANKOが中心になって作ったeスポーツの関連団体だ。

 SANKOの子会社で古澤氏が代表を務めるRIZeSTは世界的なeスポーツタイトルの一つである「League of Legends(LoL)」(ライアットゲームス)の国内リーグ大会「LOL Japan League」を運営する。8月26日に開催された同リーグの決勝大会「LJL 2017 Summer Split Final」は4000人を超える観客が集まる大きな大会となった。

4000人を超える観客が訪れたLJL 2017 Summer Split Finalの様子
4000人を超える観客が訪れたLJL 2017 Summer Split Finalの様子
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 古澤氏は、「国内のeスポーツには(他のスポーツでは当たり前の)育成や教育のシステムがなく、それ故、プロ選手の意識や地位が低い」と指摘する。“日本代表”のためにも、単なる「ゲーマー」とみなされ、プロスポーツ選手として尊敬されない現状を変えたい。この課題を解決するのがプロライセンス制度だという。ライセンス制度で一定以上のゲームの実力と、社会的な常識を備える選手を認定すれば、実力が伴わない「自称プロ」を淘汰できる。プロeスポーツ選手が切磋琢磨する環境が整い、選手の実力や社会的な地位の向上が図れると説く。