2018年4月、いよいよ診療報酬と介護報酬の同時改定が実施された。今回は、この同時改定における介護ロボットの活用シーンについて掘り下げていきたい。

 政府の未来投資会議の資料では、「ロボット介護機器の開発重点分野」が開示されている。

ロボット介護機器の開発重点分野(図:「未来投資会議」の資料から)
ロボット介護機器の開発重点分野(図:「未来投資会議」の資料から)
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 その範囲は、移乗支援や移動支援、排泄支援、見守り、コミュニケーション、入浴支援、生活支援、動作支援、介護業務支援など多岐に渡る。さまざまなシーンの支援に向けた技術が、重点分野とされているのである。

 今回の同時改正においては、この中の「見守り」に特化した「見守り機器」だけが評価された形となった。具体的には、見守り機器を導入した場合には、特別養護老人ホーム等の夜勤について、夜間職員配置加算の要件が「最低基準+1名」から「最低基準+0.9名」に緩和される形となった。

今回の同時改定における介護ロボットの評価(図:厚生労働省の資料から)
今回の同時改定における介護ロボットの評価(図:厚生労働省の資料から)
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 見守り機器の導入費用を鑑みると、コストが見合うかどうかは難しい部分があるかもしれない。しかし、夜勤職員のストレス緩和の側面については効果が大きいと思う。やはり、夜勤中に全て人手で見守りを行っている現状より、見守り機器によって人が動かなくとも状況が見える化される事は、大きな負担軽減につながるはずだ。