環境・エネルギー・社会インフラおよび、それを支えるエレクトロニクス技術を専門領域とする「日経BPクリーンテック研究所」。その研究所が今注目している、ホットな話題をお届けします。
クリーンテック研究所から
目次
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バーチャル世界をもっとリアルに、人にやさしく
利用者体験から見た「自然さ」を追究、ぬいぐるみロボットまで研究対象を拡大
病院へ行かなくても患者がストレスなくオンライン診療を受けられるようにしたい。 その場に行かなくてもリアルに体験できるバーチャルスポーツを実現したい。 顧客の表情まで読み取って臨機応変にサービス提供できるアシスタントロボットを作りたい。 こうした未来志向の仕組みやサービスを実現するうえでの鍵となる、「…
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構造物の検査から次世代がん治療まで、デスクトップ加速器が開く未来
世界トップクラスの技術力で小型・高性能化を追い求める
東京工業大学科学技術創成研究院先導原子力研究所の林﨑規託准教授が手掛けているのが重イオンビームあるいは中性子ビームを発生させる加速器である。特に、小型・高性能化を大きなテーマとして取り組んでいる
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心や意識の謎、脳科学はここまで近づいた
新事業や経営を担う次世代リーダー向けセミナー「テクノロジーインパクト2030」から(4)
脳の働きをつぶさに調べる方法とその活用法を研究する国際電気通信基礎技術研究所(ATR) 脳情報通信総合研究所 所長・ATRフェロー 脳情報研究所長の川人光男氏に、脳の働きはどのくらい分かってきたのか、また最新の脳科学の研究成果によって医療や教育などにどのようなインパクトを及ぼす可能性があるのか聞いた…
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自動運転時代、ビジネスの主役は?
新事業や経営を担う次世代リーダー向けセミナー「テクノロジーインパクト2030」から(3)
自動車産業、特に日本の自動車産業は完成車メーカーを頂点とした系列企業を従えた階層的ピラミッド型業界構造を採ってきた。これは、極めて複雑な機械製品であるクルマを、効果的かつ効率的に作り上げるために最適化した業界構造だった。ところが今、人工知能(AI)やネットワークなど系列企業にはない技術が、クルマの性…
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クラウド・車載機器の連携が生む「新・企業相関図」、自動運転でグローバル開発競争(下)
自動運転が作る未来(12)
自動運転車の開発において、新たな二つのトレンドが生まれている。一つは、「完全自動運転時代」を見越した開発テーマの推進。もう一つは、常時ネットに接続している「コネクテッドカー」ならではの特性を活用した技術の適用である。今回はコネクテッド技術で特に注目されている「Cloud-to-Car」を取り巻く業…
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「AIと共存する力」を養う3つの学問とは?
新事業や経営を担う次世代リーダー向けセミナー「テクノロジーインパクト2030」から(2)
AIが未来の経済に与える影響を研究する駒澤大学 経済学部 准教授の井上智洋氏に、AI時代の経済や社会活動の形、さらにはこれからの時代を生き抜くため企業や私たち自身が身に付けるべきスキルなどについて聞いた。
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先端技術の活用は早ければ早いほど実りが多い
新事業や経営を担う次世代リーダー向けセミナー「テクノロジーインパクト2030」から(1)
フリーランスの医師として救急医療の現場に立ちながら、同時に情報学研究者としてAIやロボットなど多くの先端技術とその活用の今を研究している沖山 翔氏に、医療分野での先端技術の活用状況と今後の展望を聞いた。
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未来のクルマ、ブロックチェーンで安全に鍵シェア 自動運転でグローバル開発競争(上)
自動運転が作る未来(11)
自動運転車の開発において、新たな二つのトレンドが生まれている。一つは、「完全自動運転時代」を見越した開発テーマの推進。運転支援とは異なるアプローチで、ドライバーや乗員に対する移動時の快適さや安全確保に主眼を置く開発である。もう一つは、常時ネットに接続している「コネクテッドカー」ならではの特性を活用し…
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奇人変人の才能見抜け 「プレステ生みの親」のCTO論
CTO30会議(10)
1994年12月に発売された「プレイステーション(PS))」(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)は、家庭用ゲーム機としては初めて累計出荷台数が1億台を超え、世界的なムーブメントを巻き起こした。その仕掛人が久多良木健氏だ。社内を説得し、他社を巻き込み、時代を先取りした技術をベースに市場を生…
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クラウド地図構築で存在感、HEREが見通す自動運転時代
自動運転が作る未来(10)
完全自動運転の世界では、走行する道路の地図情報の精度だけでなく、走行エリアの交通規制や混雑情報も重要となる。事故が起こって渋滞が始まりつつあるとき、事故地点に向かっている走行車両が事故情報をいち早く入手できれば、渋滞の列に追突する危険を回避することはもちろん、別の経路を選択することで渋滞を回避するこ…
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協調と競争が交錯 自動運転、共同開発「最新相関図」
自動運転が作る未来(9)
2016年12月に発表されたこれらの企業活動は、それぞれ別のカテゴリーで起こっていることではあるものの、俯瞰すると自動運転車の登場で動き始めたモビリティ産業の構築に向けたうねりに見えてくる。日経BPクリーンテック研究所が2016年12月に発行した『世界自動運転プロジェクト総覧』のデータを基に、世界…
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オープンイノベーションが不可欠な時代 味の素
CTO30会議(9)
味の素は、100年前に“うまみ”成分のグルタミン酸で事業を開始し、食品から医薬品、化粧品、電子材料へと領域を広げてきた。アフリカや東南アジアに市場を拡大する一方で、国連との協力による「ガーナ栄養改善プロジェクト」やベトナム教育訓練省との共同での「学校給食プロジェクト」を実施し、各国の食の課題解決に…
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運転支援か、自律走行か 自動運転で目指す二つの姿
自動運転が作る未来(8)
自動運転車を実現するための技術開発プロジェクトは、自動車メーカーや自動車部品サプライヤーだけでなく、オンデマンド配車事業者、LiDAR(Light Detection and Ranging)と呼ばれるセンサー開発企業、人工知能(AI)開発企業、クラウド事業者など、さまざまな事業分野に属する企業が始…
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ウーバーと自動運転が迫る「モビリティビジネス革命」
自動運転が作る未来(7)
ドイツのAudi、BMW、ダイムラーの3社によるデジタル地図事業者、ドイツHEREの買収。トヨタ自動車と米Uber Technologies(ウーバーテクノロジーズ)の協業、米フォードと中国Baidu(百度)による自動運転向けセンサー開発のVelodyne LiDARへの出資――。自動運転という大…
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技術先行でなく顧客ニーズ起点、100事業展開のオムロン
CTO30会議(8)
オムロンは1933年の創業時から、顧客のニーズに応える形で一つひとつ事業を立ち上げてきた。今では100以上の事業を持つ。企業全体として特定の事業に依存することはなく、最大規模の血圧計分野でも売上高は500億円程度。ベンチャー企業程度の規模の事業も少なくない。そんな同社は、2015年4月にCTO(最高…
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自動運転時代へ、必須になる電子制御の「ソフト更新」
自動運転が作る未来(6)
自動運転車の開発現場で見かける実験車は、市販車にセンサー類を取り付けたものである。実験車両では、自動車内部に多数組み込まれている各種のECU(電子制御ユニット)に自動運転ソフトが電子的な命令を伝えて運転操作する。自動運転車の登場には、人間の頭脳や眼の役割を果たす自動運転ソフトや各種センサーの高度化…
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IoT、日本の勝機は「T」にあり パナソニック宮部CTO
CTO30会議(7)
パナソニックは1918年に大阪の町工場から始まった。創業当時の従業員数は3名だったが、約100年が経った今は世界全体で約25万6000人という大企業になった。パナソニックというと家電のイメージが強いが、売り上げに占める家電の比率は約25%と意外に低い。家電の他には、住宅や車載エレクトロニクス、産業…
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未知の攻撃、AIで撃退へ 対策必須のセキュリティ
自動運転が作る未来(5)
自動運転の時代になると、自動車がネットワークにつながるのが当たり前になる。もちろん、単にネットワークにつながり、外部から情報を取得するだけなら今の自動車でも実現できている。では、自動運転の時代では何が変わるのだろうか。違いは、通信で入手するデータの使い手にある。これまではドライバーが使い手だった。こ…
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医療費問題、高品質データで生活習慣病防ぐ 経産省
CTO30会議(6)
CTO(最高技術責任者)がビジョンを描く場合、「社会的課題の解決」を発想の起点とすることがある。この際、重要なのはどの社会的課題に注目し、その本質がどこにあるのかを見抜くことだ。今回は、深刻な社会的課題である高齢化に伴う医療費の問題を取り上げ、経済産業省ヘルスケア産業課長の江崎禎英氏に話を聞いた。…
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求む「いいかげんなAI」、道交法守りつつ周囲に順応
自動運転が作る未来(4)
自動運転の未来を考えるとき、避けて通れないテーマに「法制度」がある。現在の法制度はすべて「公道を走る自動車は人間がドライバーとして乗車して制御すること」が前提となっている。“ドライバーレス”の自動運転車にかかわる事故責任や、自動運転車が起こした事故被害者の救済を確実にするためのセーフティネットのあ…