濱口 ここでチェックしなければならない点は、どこまで分類の条件を出せるかということ。出せる人はバンバン出すし、出せない人は三つくらいで止まってしまう。もちろん、「どれだけ数を出せるか」ということは見ますが、もう一つ大事なことがあります。
採用する職種はコンサルタントなので、分類できなくなったときにパニックに陥ったらダメ。必ず誰もが限界に達するので、その状態で平然としていられるかどうかが重要なんです。三つしか出せなくても「ちょっと考えましょか」と切り返せるならOKなんです。
それからロジック性。例えば、「立っている人・座っている人」という誤った分類を出してしまったとしますよね。「それはおかしいですよね」と指摘されたときに、すぐに気付いて訂正できるか。そして、例えば間違いを3回まで許すというルールを決めたときに、ロジック性を保っていられるかを観察します。
次に、僕の方で10個程度の変な分類を用意しておいて、「あなたの考えた分類は全部で20個、僕が考えた分類は10個。この30個の分類条件をさらに分類してください」という質問を投げ掛けます。「性別」「人間のタイプ」「身体に染み付いているもの」「変えることができないもの」といった上位概念での分類方法を聞くんです。ここまでの50分で、ロジカルな能力の高低が分かります。
前野 発想はあまり出ないけど、切り口を与えられるとまとめられるとか、得意・不得意の偏りなども分かりますね。
濱口 後半の40分では、前半で考えてもらった分類条件を使ったカオス性の高い要求を投げ掛けます。
例えば、「あなたのところにクライアントが相談に来ました。そのクライアントは工場を持っていなくて、アイデアだけで運営している会社です。ただし、航空会社にはものすごいコネクションがあって、どんなサービスでも、どんな商品でも売り込むことができます。中国の提携工場を使うことができて、アマゾンのクラウドサービスでどんなウェブサービスでも構築できます。さて、どんな商品を作ったらいいですか。ただし、先ほど考えた分類条件を使って考えてください」というような内容です。
そして「今からプレゼン資料を作りましょう」とA4の紙を置いておくんですよ。「パソコンはないので手書きで作って、今から20分後にプレゼンしてください」と。
前野 それは、ものすごいパニック状態になりますよね。