濱口 こんなゲームをやったことがあります。スマホを机の上に置いてみんなに見せた後、「さあ、みんな目をつぶって」と言って、その間にスマホを僕のポケットに入れておくんです。そして、みんなに目を開けてもらって白々しく何もない机を指しながら「スマホは?」と聞く。
最初は、全員がポカンとした顔をしています。それでもしつこく「スマホは?」と問い続けると、誰かが「濱口さんはいたずらばっかりしているから、もしかして僕たちが目をつぶっている間に両面テープで机の裏に張り付けたんちゃいますか」というような意見が出てくるんです。そうすると、雪崩を打ったように参加者からいろいろな意見が出てきます。
「スマホはある」と信じていれば、何かを考えられるんです。これはパッションを持っているかどうかということですね。どんな素敵なプレゼン資料を作っても、トークをしても、パッションがなかったら誰も説得できません。
前野 とても重要な要素ですね。
濱口 「なかなかイノベーションにつながらないんです」と話す人の中には、「お前、パッションないやろ」というケースはありませんか?
前野 ありますね。
濱口 何か賢いことを言うてるばっかりでパッションがなくて、能力がなかったら、もうその時点でアウトです。
前野 「パーパス」「ポテンシャル」「パッション」と出てきました。次は何が必要ですか。
濱口 どうやって目的地まで行ったらいいんかというアプローチの方法が必要です。自分がどこにいるかをGPSで知るとか、ここは安全かどうか知るためにモニターする方法など、要は目的地に向うためのプロセスがなければなりません。
前野 なるほど、見えてきました。四つ目に必要なのは、また「P」。「プロセス(Process)」ですね。