リンカーズ 執行役員 大阪支店長の北中萌恵氏。
リンカーズ 執行役員 大阪支店長の北中萌恵氏。
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 関西の大手ものづくり企業に日々、営業をしている人の目から、関西のものづくりの現状はどのように見えているのか。そんな視点で綴るブログ風コラムが本連載です。

 コラムを担当するのは、大企業と中小企業のマッチングサービスを提供するリンカーズで、執行役員と大阪支店長を務める北中萌恵氏(リンカーズについてはこちらを参照)。北中氏はメーカーの技術研究職からリンカーズの関西地区営業の要に転身した経歴を持つ。前職ではものづくり企業で研究職に就いていました。

 1回目となる今回は、まずは自己紹介をしてもらいました。

 初めまして。北中萌恵と申します。技術パートナー探索サービスを提供するリンカーズの執行役員大阪支店長を務めています。このコラムでは、私の仕事を通して、担当エリアである関西・中国・中部・四国のものづくり企業の今や、業界動向をお話できればと思っています。こうしたコラムを担当するのは初めてなので、うまくお伝えできるかどうか不安ですが、よろしくお願いします。

 さて、初回となる今回は私の自己紹介をさせていただきます。このリンカーズは私にとって2社めの職場。前職は創業140年を超える老舗耐火物メーカーでの技術研究職でした。まずは、なぜバリバリの理系だった私が、リンカーズへの転身を図ったのか。その経緯をお話したいと思います。

 子供のころからものづくりは大好きでした。小学生のころ、好奇心旺盛な私に両親が毎月買ってくれていたのが、理科の実験キット。教材の説明書を読みながらミニソーラーカーやアイスクリームメーカーなどを作る中で、モーターが動く仕組みやアルミ板の熱伝導性の高さを学んでいきました。日曜大工好きな父親の影響を受けこともあるとおもいます。学校の技術の授業では、はんだ付けにも燃えました。ものづくりという意味では、家庭科も好きで、手先の器用な母から手芸を教わり、エプロンを作ったり、たくさんの刺繍ステッチを一生懸命覚えたりしました。

 高校1年の文理選択では理系を選択、大学では有機化学を専攻し、ポリ乳酸ナノファイバー化調整方法を研究しました。一般的なES法よりも低消費電力な方法を実現することが目的です。溶媒拡散法を検討し、研究室の指導教官とともに特許を出したり、論文を執筆し、学会発表したり。たくさん論文を執筆したおかげで、奨学金半額免除を受けることもできました。

 大学院卒業後は企業の研究職に就くことを目指し、就職活動は10社程度と絞っていました。就職活動の中で出会ったのが、前職の面接官だったN部長です。「耐火物は、産業の根幹を支えるもの」という説明に胸をうたれて、同社に入社しました。