伊本貴士=メディアスケッチ 代表取締役 兼 コーデセブン CTO、サートプロ IoT技術講師、IoT検定制度委員会メンバー
伊本貴士=メディアスケッチ 代表取締役 兼 コーデセブン CTO、サートプロ IoT技術講師、IoT検定制度委員会メンバー
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 IoT(Interne of Things)および人工知能(AI)技術を使ったビジネスでチャンスをつかみたい。そう考える企業は多いことでしょう。その場合には必要なものがあります。人工知能をビジネスのどこで活用するかという「人工知能戦略」です。

 しかし、良いアイデアがすぐには思い浮かばないという企業がほとんどではないでしょうか。その原因の1つは、データ収集に関する具体的なイメージを描けないことにあります。データをどこから集めたらよいかが、分からないのです。

 そこで今回は、具体的にIoTビジネスを行うに当たり、どこからデータを収集するのかについてまとめたいと思います。

データ収集が重要な理由

 既に本コラムで何度か述べた通り、第4次産業革命において最も価値が高いのは「データ」です。その価値は、現在高いと言われている「サービス」をもしのぐものです。なぜなら、第4次産業革命で中心を担う人工知能にとって「データ」は“血液”のようなものだからです。人工知能で優れた精度の結果を出すには、多くのデータを入力して学習させる必要があります。

 そして、その「データ」という名の血液を送り出す“心臓”の役目を果たすのがIoTなのです。

 人工知能を利用する場合、データは多い方が精度の高い結果を出せます。ときには数百万のデータが必要になることもあります。大切なのは量だけではありません。データの種類も重要です。人工知能にたくさんの種類のデータを入力すれば、データ同士の関係性などまで考慮することができ、新しいルールに基づいた精密な結果を出すことが可能になります。

 従って、取得可能な全てのデータを集め、長期間にわたってどんどん蓄積していくことが、企業にとって重要なこととなります。