コラム主旨
 国家による事業というイメージが強かった宇宙開発。しかし、もはや現実は違ってきている。日本にいると気づきにくいが、庶民でも宇宙に行ける時代が近づいてきている。そして、そうした時代だからこそ必要になってくるのが“宇宙仕様のサービスや製品”であり、実はそこに大きなビジネスチャンスが広がっている。そこで、本コラムでは、自らも宇宙ビジネスのプロデュースを手掛け民間宇宙飛行士でもある国際宇宙サービス代表取締役の山崎大地氏に、その最新状況と宇宙ビジネスの具体例を紹介してもらう。あなたの宇宙観はこれまでとは違ったものになるはずだ。また折に触れ、ビジネスの新しいビジョン開発やプロデュースを手掛けるマーキュリービジョン代表の長岐祐宏氏に、別の視点からの考察を紹介してもらう。
山崎 大地(やまざき・たいち)
国際宇宙サービス(ASTRAX)代表取締役社長・民間宇宙飛行士
山崎 大地(やまざき・たいち) 航空宇宙工学エンジニア(専門は有人宇宙技術)。東海大学工学部航空宇宙学科を卒業後、三菱スペース・ソフトウエアに入社。国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」のフライトコントローラー(運用管制官)としてきぼうの開発および建設に従事。ISS保全補給フライト2A.2a(STS-101ミッション)、若田宇宙飛行士によるISS建設フライト3A(STS-92ミッション)、ISSきぼう建設フライト2J/A(STS-127ミッション)などに従事。2005年に国際宇宙サービス(ASTRAX)を設立。2006年に宇宙飛行サービスを開始。2012年より無重力飛行サービスを開始。早ければ2017年、民間宇宙飛行士として、米ニューメキシコ州スペースポートアメリカ、アリゾナ州スペースポートツーソン、カリフォルニア州モハベスペースポートにて宇宙飛行を行う予定。その準備の傍ら、日本と米国を中心に宇宙旅行時代に向けた新たな民間宇宙ビジネスの創出や執筆・講演・教育活動などに携わる。著書に『宇宙主夫日記』(小学館)、『宇宙家族ヤマザキ』(祥伝社)などがある。
長岐 祐宏(ながき・ゆうこう)
長岐 祐宏(ながき・ゆうこう) 1989年4月にセイコーエプソンの販売子会社であるエプソン販売に入社。約11年間、営業や技術、サポートの販売現場経験を得る。米DEC社との共同プロジェクトに参加し、ネットワーク技術の資格を取得。2000年からセイコーエプソンでプリンタ事業部、デバイス事業部、新規事業開発本部、システム事業部、開発本部の複数部門を経験。主に、新規商品の開発企画や事業企画を軸に活動する。特に2006年以降は他社と連携した大型新規プロジェクト(小型プリンターや小型プロジェクター、ハイビジョンビューワーなど)をリーダーとして取りまとめる。人事部を経験後、2013年11月に退職。他社のビジネスアドバイザーを行い、2014年10月にビジネスの新しいビジョン開発や、プロデュースを手掛ける「MARCURY VISION」を設立、代表を務める。