• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

HOME新産業産総研が開く、明日への扉 > 自社のBCP、万全ですか?産総研が支援します

産総研が開く、明日への扉

自社のBCP、万全ですか?産総研が支援します

防災・減災に向けて製造業の工場立地やサプライチェーン構築、ICT企業のデータセンター配置に効果大

  • 大久保 聡
  • 2017/01/10 17:00
  • 1/5ページ

 2011年は日本の製造業にとって厳しい1年だった。3月11日に起きた東日本大震災によって製品生産に関わるサプライチェーンが寸断された。同年秋にはタイで大規模な洪水が発生し、日系企業の多くの工場が浸水のために生産が止まった。それ以来、地震などの災害が発生した際に、重要業務を目標復旧時間内に再開できるように準備しておくための計画、いわゆるBCP(business continuity plan)について、サプライチェーン強化に向けたBCPの策定や見直しが日本の製造業にとって至上命題になった。その効果は2016年4月に発生した熊本地震で現われ、工場の建屋や生産設備に被害が出たものの比較的早期に生産再開に向けて動き出したとされる。

 では、日本企業にとって既にBCPは万全なのだろうか。実はまだ、BCPを策定する上で考慮が足りないとみられる部分がある。それが地質だ。地質とは大“地”を作る地層や岩石などの性“質”である。地質は固い岩盤か、柔らかい粘土かといった簡単な区分けで済むものではない。日本は多様な地質から成っており、地震発生時の揺れ方は近接する場所でも異なる。BCPを考える上で地質は熟慮すべき項目だ。自社工場や研究施設が立地する場所にとどまらず、サプライヤーなどの顧客の工場が立地する場所、さらには工場間を結ぶルートなどの地質を踏まえることで、災害時に大きな被害が発生しそうな箇所を把握しておき、さらに強固なBCPを策定することは可能である。製造業のみならず、ICTベンダーにとってはデータセンターの立地についてBCP策定が欠かせない。

 こうした地質の把握に有効なのが、産業技術総合研究所(産総研)地質調査総合センターが手掛ける調査情報だ。同センターは、国内の資源や環境、防災に関連する地質情報を整備し、地質図Navi(https://gbank.gsj.jp/geonavi/)としてそれらを閲覧できるWebサイトを公開している。この地質図Naviのベースマップとなっているのが「20万分の1日本シームレス地質図」(https://gbank.gsj.jp/seamless/)で、地層や岩石の硬軟、時代、積み重なり方や断層などの大地の変形の様子が分かるように記載されている。それらを読み解くことで地質に起因する地震や火山、土壌汚染などのリスクを把握し、万一の際の被害を軽減させる策をあらかじめ打っておくことが可能だ。そのため新たな工場立地やサプライチェーン構築を考える担当者は、どこに工場を建設するべきかなど事業の計画段階で地質情報を活用できる。

地質図Naviで20万分の1日本シームレス地質図上に活断層データベースのインデックスマップ(画面中の赤線群)をオーバーレイ表示させた例。地質の違いを色分けするとともに、赤実線で活断層の位置を示している。
[画像のクリックで拡大表示]

 ただし、情報は誰でも入手できても、そこから地質の違いを読み取り、自然災害の起こりやすさを様々な地質情報を基に総合的に評価するのは専門家でないと難しい。このように地質情報の活用に関して専門家の意見を聞きたい場合などは、 企業の“ホームドクター”として産総研が支援するサービスを、民間企業などが利用できる「技術コンサルティング」のメニューとして提供している。民間企業などが利用できる他の例として、既に工場などが建設されている場合でも、産総研が地質情報を基に進めている「シミュレーションを用いた地震による建物や建物内の機器・家具の揺れ具合の評価」によりどのような対策をとるべきか検討することが可能である。

 また「過去の地震・噴火履歴の集約から噴火リスクの評価」、「有害重金属類による土壌汚染のリスク評価」などのリスク情報も、BCP策定や工場立地などへ活用できる。さらに、同センターでは、国内のみならずアジア地域の災害情報も詳細に把握しているので、企業の工場新設やBCP策定に活用できる。このように地質の専門家や地層の物性を評価する専門家、それらのデータを基に地盤や建造物の揺れやすさなどをシミュレーションできる専門家などが一堂に会していることが、産総研の強みだ。強固なBCPを考える企業にとって、産総研の活用の余地は大きい。

2011年4月11日に発生した福島県浜通りの地震(マグニチュード7.0)被害の調査風景。地質図の作成や地震予測などのモデル構築には、このような現地調査が重要となる。
[画像のクリックで拡大表示]

 産総研が手掛ける地質情報の特徴や活用する利点について、産総研 地質調査総合センター 研究戦略部 イノベーションコーディネータの斎藤眞氏と同 研究戦略部 研究企画室長の藤原治氏に聞いた。

産総研 地質調査総合センター 研究戦略部 イノベーションコーディネータの斎藤眞氏(左)と研究企画室長の藤原治氏(右)
[画像のクリックで拡大表示]

NEXT ≫ 産総研の地質図で未来のリスクを予測、地質の成り立ち…

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

本記事の続きを無料でご覧いただけます

以下のアンケートにご回答ください。

  • Q01. 記事中の産業技術総合研究所の「地質情報」に対する認知と、自社あるいは顧客企業における利用状況をお聞かせください。(ひとつだけ)※必須

  • Q02. 記事中の産業技術総合研究所の「地質情報」などに関して、自社あるいは顧客企業のご利用の予定時期をお聞かせください。(ひとつだけ)※必須

  • Q03. 自社あるいは顧客企業において、あなたが関わっているものを以下からお選びください。(いくつでも)※必須

  • Q03-1. Q03で「その他」と回答された方で、上記項目以外で地質情報と関係しそうなものがあればお聞かせください。


本コンテンツの2ページ目以降を閲覧いただいた方の個人情報(日経BP社に登録されている氏名、メールアドレス、住所、勤務先、所属部署、役職、電話番号などのほか、入力いただいたアンケートのご回答内容)は、日経BP社が、本コンテンツスポンサーの広告主に第三者提供いたします。
 第三者提供先:国立研究開発法人産業技術総合研究所
下記「個人情報取得に関するご説明」をよくお読みいただき、同意の上、ご利用ください。

閲覧する