経済誌フォーブスが2018年の高収入アスリート・ランキングを発表した。これは同社が独自に世界のスポーツ選手の年俸や勝利給など本収入と、広告出演などによるエンドースメントと呼ばれる副収入を算出し、上位100人を発表するもの。

フォーブスが発表した2018年の高収入アスリート・ランキングのプレスリリース画面(画面:Forbes)
フォーブスが発表した2018年の高収入アスリート・ランキングのプレスリリース画面(画面:Forbes)
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 まず今回の特徴として100人全員が年収2200万ドル以上で、その合計は約38億ドルに達したことが挙げられる。これは昨年より23%増で、100位の選手の年収は150万ドル増の2290万ドルとなった。プロスポーツ市場全体が世界的に成長を続けているといえるが、本収入が大幅増なのに対し、副収入は8億7700万ドルと2年連続で減少している。これは各国の企業がスポーツマーケティングの予算を見直していることが原因のようだ。

NBAから40人がランクイン

 今回は23カ国の選手がランクインしているが、牽引しているのはやはり米国で、同国の選手65人がランク入りしている。さらにプロバスケットボールNBA、プロ野球MLB、プロアメリカンフットボールNFLという北米3リーグの選手が72人を占めている。ただし、米国で4大プロリーグの一つと呼ばれるプロアイスホッケーNHLの選手は一人もランクインしていない。

 3つのプロリーグで最も人数が多いのはNBAで、実に40人がランクインした。2番目がNFLで18人、MLBが14人だった。NBAは2016年に240億ドルのテレビ放映契約を結んだことから、各チームの選手総年俸額の上限を定めるサラリーキャップの上限が毎年上昇している。このことが高額契約を生み、ランクインする選手が増加する要因となっている。実際、2016年にはランクインしたのは18人、昨年は32人だった。

 3リーグでさらに興味深いのは副収入だ。NBAは年収8550万ドルで全体6位のレブロン・ジェームズの5200万ドルを筆頭に、100万ドル以上副収入を得ている選手が33人いるのに対し、MLBは8人、NFLは9人しかいない。1000万ドル以上ではMLBがゼロ、NFLはニューオリンズ・セインツのクオーターバック、ドリュー・ブリーズ選手だけである。特にNFLはリーグの人気としては3リーグでもトップだが、選手数が多い割に広告に起用されるようなスター選手の割合が残りの2リーグより少ない印象だ。