■株式会社愛工舎の概要
【創業】1934年
【資本金】3000万円
【代表】代表取締役社長 早川 史洋
【社員数】57人
【住所(工場)】岐阜県加茂郡七宗町川並489
【得意な微細加工】⌀0.03mmクラスの微細旋盤加工 他

⌀0.03mmクラスの微細旋盤加工・微細組立を得意とするサプライヤー

 ⌀0.03mmクラスの微細なCNC旋盤加工を得意とするのが、本社を名古屋市に、メイン工場を岐阜県・七宗町に置く、株式会社愛工舎です。同社が製造しているのは、半導体や電子部品、電子部品から構成される複雑な回路の通電検査を行うための検査治具、コンタクトプローブに用いられる微細な金属ピンです(図1)。岐阜県の山間の地盤の良い高台に位置する、5Sの行き届いた工場の中には、100台を超えるCNC自動旋盤が稼働しています。

1円玉と大きさの比較
1円玉と大きさの比較
先端径0.1mm
先端径0.1mm
図1 愛工舎が製造した微細なピン

 こうした微細なピンになると、加工時に発生するバリが一般的なワークよりも問題になります。ワークが微細な分だけ、バリの影響を受けやすいのです。そこで同社では、超硬ろう付けバイトを手で研いで内製し、加工段階でなるべくバリが発生しない工夫をしています。こうした工具の内製には技術を要し、使える工具を自前でつくれるようになるには、最低でも半年間以上の経験が必要とされます。

 さらに、⌀0.03mmクラスの微細ピンを、やはり微細なパイプにスプリングとともに挿入し、カシメるといった微細組立技術も同社の得意な技術です。クリーンルーム内にて組み立て・洗浄・検査が可能な環境にあり、組み立て(カシメ)対応可能なパイプ外径は最小⌀0.1mmという微細さです。

図2 ⌀0.1mmクラスの微細組み立て(カシメ)技術
図2 ⌀0.1mmクラスの微細組み立て(カシメ)技術
図2 ⌀0.1mmクラスの微細組み立て(カシメ)技術
図2 ⌀0.1mmクラスの微細組み立て(カシメ)技術

 また、こうした組み立てた製品を外側から検査を行うため、直径400mmの大型ステージを持つX線検査装置も自社で保有しており、加工から組立、検査まで一貫した対応が可能となっています。

図3 X線検査装置
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図3 X線検査装置
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図3 X線検査装置