Industrial Internet Consortium(IIC)は2014年3月に米国企業5社(AT&T社、Cisco社、General Electric社、IBM社、Intel社)によりIndustrial IoT(IIoT)の実現のために設立されました。オープンなメンバーシップにより運営されるコンソーシアムであり、設立2周年を迎えた今年3月には世界30カ国から250の企業・団体が参加するまでになっています。

図 1 IoTのソリューションのランドスケープ
図 1 IoTのソリューションのランドスケープ
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 IIoTは一般消費者を直接対象とする製品・サービスではなく、製造工程、医療サービス、エネルギー産業などの業務プロセスにIoT技術を活用し、経済活動の業務領域にこれを応用することで、企業の業態を変化させるような事業の創出を目標にしています(図1)。つまり、IIoTはグローバルスケールで経済活動全体に大きな影響を与える革新的新事業やサービスの創出を可能として産業界に新たな秩序をもたらすものです。IIC 設立の目的はIIoTの実現を加速するために技術的、事業的な課題を認識し、その課題を解決するために異なる知識や経験、事業形態、地域で活動する企業や組織が協力し、パートナーシップを構築しながらその解決をめざすことです。

 IICは標準化団体ではなく、既存の標準に準拠した技術を活用します。IICが定めた共通の参照アーキテクチャーや技術的フレームワークをガイドラインとして使用して、革新的ソリューションを設計し、そのソリューションの有効性や実現性を検証するためのプロジェクトで実証することを目標としています。この実証検証プロジェクトを「IICテストベッド」と呼びます。これらの活動を通して既存標準の強化の必要性を明らかにし、当該標準化団体への強化要件を提示するという作業を活動の一環として実施しています。

 ユニークな活動として、新たな革新的事業を構想した際、その事業化をビジネス面から支えるプロセスに関する方法論や手法、メトリクスなどを明らかにしツールやテンプレート化する作業も行っています。