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ものづくり基礎から徹底 コラム編

「究極の加工」とは何か分かりますか?

第44回 市販寸法一覧表の活用

  • ジン・コンサルティング 代表、生産技術コンサルタント西村 仁氏
  • 2017/12/04 05:00
  • 1/2ページ
ジン・コンサルティング 代表、生産技術コンサルタント西村 仁氏
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 加工は大きく5つに分類できることを以前このコラムで紹介しました(該当コラム)。

 まずは、[1]「削って形を造る切削加工」。これは切粉が出る加工で、加工精度が高い半面、加工に時間がかかります。次に、[2]「型を使って変形させる成形加工」です。金型で打ち抜いたり、型の中の空洞に溶かした材料を流し込んだりする加工です。加工精度は出しにくい半面、大量生産に向いています。続いて、[3]「材料同士を接合して形を造る加工」。これには溶接や接着があり、コスト削減が狙いです。次は、[4]「局部的に溶かして形を造る加工」で、レーザー光や放電、または化学反応で材料の一部を溶かして形をつくる方法です。工作物(ワーク)に外力を加えないので、高精度で複雑形状に加工できることが特徴です。最後は、[5]「形は変えずに材料の特性を変える加工」で、これには熱処理と表面処理があります。

 では、「究極の加工」とは何でしょうか? それは「加工しないこと」です。禅問答のようですが、切削加工における究極の姿は、削らないことなのです。

 事例を紹介しましょう。一般的な鉄鋼材料のSS400やS45Cを使用した部品で、幅18×厚さ8mmに設計するとします。しかし、この寸法に合った市販材料はないので、一回り大きいサイズの幅19×厚さ9mmの材料を購入することになります。これを幅方向に1mm削り、厚さも1mm削ると、次のような問題が出てきます。

[1]加工作業により製造原価が上がる。⇒コスト上昇
[2]加工時間を要する。⇒生産期間の悪化
[3]厚み方向を削ると反りが発生するなどのリスクがある。⇒品質の悪化

 一方、最初から市販寸法の幅19×厚さ9mm に合わせて設計すれば加工する必要がなくなり、長さ方向の2面の加工だけで済みます。従って、設計者は素材の市販寸法を知っておくことが必須です。

 一般的な幅寸法のバリエーションは9/12/16/19/22/25/32/38/50/75/100/125/150mmなどで、厚さ寸法では3/4.5/6/9/12/16/19/22/25mmなどがあります。これが全国で統一されていればよいのですが、材料商社によって取り扱い寸法が微妙に異なります。そのため、皆さんの会社と取り引きのある商社から直接情報を入手してください。この際の注意点は、「黒皮材」ではなく「ミガキ材」の寸法で入手することです。「黒皮材」は表面が黒さびで覆われているため、表面は手で触って分かるほどの凹凸があり、全面を加工しなければなりません。

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