外国人の悩みを体験
図2に示す矢印に沿って、接続詞①②③を埋めてみてください。
できましたか。それでは、解答します。①「だから」、②「しかし」、③「しかも」の順で接続詞を代入できたと思います。簡単ですよね。
同様に、図3に示す矢印に沿って、接続詞④⑤⑥を埋めてみてください。
できましたか。では、解答します。④「しかし」、⑤「しかも」、⑥「だから」です。簡単に代入できたでしょうか。難しく感じますよね。矢印の向きが変わっただけなのに、頭が混乱したはずです。これが、外国人の1つめの悩みです。
もう一度、右から左へ流れる文章を思い出そう
続いて、図4に示す矢印に沿って、⑦のマスに入る文章を考えてください。
できましたか。それでは、解答します。⑦「昨日の弁当は美味かった!」です。一体何の実験なのかと思うかもしれませんが、もう少し我慢してください。
最後の実験です。しつこいですが、もう1度、図5の⑧の文章を埋めてください。
それでは、解答します。⑧「昨日の弁当は超まずかった!」です。
実は、図中における左側の3つの文章は図4も図5も変わりません。矢印の意味が、いかようにも解釈できてしまうことに気がつきましたか。
矢印の解釈が一様に決まらないという点が、外国人技術者の2つめの悩みです。彼らにとってはこちらの方がやっかいです。本来、矢印とは道路標識や非常口を案内する方向を示すもの、または因果関係を表現します。因果関係とは、原因と結果、過去と現在の関係です。そのため、私はクライアント企業に対してQC矢印の使用は厳禁だと指導しています。
次回は、技術論文におけるタイトルの重要性を取り上げます。