ラポール(共有)

 第1が「ラポール」です。これは共有という意味です。説明や交渉を行う際に、いきなり本題に入って相手を説得してもうまくいきません。その前段として相手と共有できる話題を見つけ、本題以外の会話を行うことが必要です。これをラポールというのです。

 もしかすると、大阪の人にラポールは不要かもしれません。なぜなら、生まれつきこの能力を身に付けている人が多いからです。例えば、お金を借りたいときに、「儲かってまっか?」「あかん、さっぱりや!」「さよか、ウチもあかんねん」と、ここまででラポールを図る。そして、「ほんでなあ、ちょっと相談なんやけど…」と、借金の本題に入ります。つまり、わずか3行の会話で、相手とのラポールを図ることができるのです。 

 さらに、大阪の中年女性は強力な「武器」を持っています。その武器とは、「飴ちゃん(あめちゃん)」。筆者は、この「飴ちゃん」を新幹線の車内で頂戴してしまったおかげで、東京から大阪までの2時間半の間、話し掛けられ続けるという地獄を2度も経験しました。

逆に、ラポールが得られないメンバーはチームから外すこともリーダーシップの1つです。例えば、「トラブル撲滅チーム」や「低コスト化チーム」を結成するときなどがそれに相当します。