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 前回は、小さい実験をすばやく繰り返し、ユーザーニーズを探り、そのニーズを満たす商品を作る「リーンスタートアップ」という経営哲学が誕生した背景を説明した。今回は、リーンスタートアップの実用方法について解説する他、「リーン投資」と呼べる投資スタイルに触れたい。なお本稿の終わりには、各テーマの後編で恒例となっている、新しい事業アイデアを提案する。

 リーンスタートアップはニーズの持つユーザーを集めて、そしてそのユーザーのニーズを満たす商品を開発していく。従来の「作ってから売る」を逆にした、「売ってから作る」に近いアプローチである。

 まずは、新商品やサービスを紹介するWebサイトを立ち上げ、その中で発売の告知や割引情報などを知りたい人にメーリングリストに登録してもらう。その登録件数で、見込み客の数や反応を測り、同件数が十分に増えるまで商品コンセプトや価格などを調整し続ける。

 次に、本格的な開発の前に、「ミニマル・バイアブル・プロダクト」(MVP)という必要最小限の機能を搭載した試作品を作る。これは顧客の反応を調べるための、最もシンプルなものである。