前回は、BOMにおける履歴管理方式について、2つの方法を紹介した。2つの違いは、部品を改訂したときに、その部品が含まれる親ASSYのリビジョンを上げるかどうかのルールの差による。BOM履歴管理方式[1]は、部品改訂の内容によっては親ASSYのリビジョンを上げない運用を許す方式であり、同[2]はリビジョンを必ず上げるルールにするものである。前者は企画量産型または受注生産型(量産)の製造業に向き、後者は個別受注生産などの製番管理と相性がよい。

 今回はその応用編として、モジュール型開発のBOM履歴管理について紹介する。B2Cのビジネスでは、メーカーがマーケティング・リサーチにより企画した商品を消費者が選択して購入するモデルが主流であるが、B2Bのビジネスでは、顧客の要求に合わせた製品を開発して生産し、納品するのが一般的だ。この場合に、受注仕様に合わせたフルオーダーメイド開発では、リードタイムは長くなり、コストや品質のリスクは高くなる。

 その対策として、標準製品をカスタマイズして顧客要求に合わせるやり方や、標準開発したモジュールを組み合わせてオーダーメイド開発部分を最小化する方式を採る企業が多い。というより、その方向に向かわざるを得ない。近年は、市場競争のグローバル化により、これまでフルオーダーメイドで開発していた製品であっても、モジュール型開発に移行している企業が多いと感じる。