BOM/BOPとは何か?

 皆さんはBOPという言葉を聞いたことがあるだろうか?

 BOPとは、“Bill Of Process”の略で、日本語では“工程表”と訳される。製品の組み立てや加工の際の、部品ごとのプロセスフローを表現したものである。プロセスフローの作成は、工程計画とも呼ばれ、生産時の工程管理やものづくりの品質において、非常に重要なものだ。

 一般的に製造業では、生産技術部門が工程設計を行い、アウトプットとして工程表を作成する。工程表には、さまざまな生産プロセスに関する要素が含まれている。例えば、工程名、工順、品質計画(検査項目)、必要な設備、製造条件、作業時間や段取り時間、工程図などだ。

 これらの情報をBOM(部品表)に組み合わせたものがBOM/BOPだ。すなわち、部品構成ツリーをベースにした部品情報に、生産のための工程情報を追加したものである。BOP(工程表)は基本的に、内製の組立品/部品の生産工程だけを示すが、BOM(部品表)は購入部品も含めた製品全体をカバーする。本コラムにおけるBOM/BOPという表現(現時点で検索エンジンでヒットしないので、筆者の造語かもしれない)は、このような概念だとご理解いただきたい。

 最近はBOMだけでなく、BOM/BOPの形でグローバルで管理・共有し、生産プロセスの品質や効率性を向上するための動きが活発化している。本コラムでは、それらを活用するに至った背景と、活用術について探っていきたい。

図1 E-BOM(設計部品表)とBOP(工程表)
図1 E-BOM(設計部品表)とBOP(工程表)
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