連載主旨

BOPとは、“Bill Of Process”の略で、日本語では“工程表”と訳される。製品の組み立てや加工の際の、部品ごとのプロセスフローを表現したものである。このBOPの情報をBOM(部品表)と組み合わせたBOM/BOPは、部品構成ツリーをベースに品目と生産プロセスについて整理した情報の固まりになる。

BOM/BOPは、国内のメーカーとITベンダー、関連団体、研究者が集まってIoT時代のものづくりのあり方を議論しているIVI(Industrial Value Chain Initiative、2015年6月設立総会を開催)において、重要なテーマとして関心を集めている。自動車業界では、全世界的なメガリコール対策として、BOM/BOPを活用した生産プロセスの可視化が有効であるのに加えて、産業機械メーカーやその他の製造業においても、BOM/BOPの活用によって設計・生産品質を高めようとする動きが活発化してきているためだ。

この連載では、最近注目を集めるBOM/BOPに視点を据えて、最近の自動車部品メーカーで発生している課題やソリューション動向を中心に紹介していく。自動車部品メーカーにおける事例や動向を中心に解説するが、他の業種の方にも参考になる考え方を提示したいと考えている。

三河 進(みかわ すすむ)
NEC コンサルティング事業部 シニアマネージャー
NCPシニアビジネスコンサルタント
システムアナリスト(経済産業省)
全能連マスターマネジメントコンサルタント
精密機械製造業、PLMベンダー、外資系コンサルティングファームを経て現職。専門分野は開発設計プロセス改革(リードタイム短縮、品質マネ ジメント、コストマネジメント)、サプライチェーン改革(サプライヤーマネジメント)、情報戦略策定、超大型プロジェクトマネジメントの領域 にある。自動車・電機・ハイテク・重工などのPLM・SCMに関する業務改革プロジェクトに従事中。主な著書に「モジュール化による設計リー ドタイムの大幅短縮」(全能連)、「製造業の業務改革推進者のためのグローバルPLM」(日刊工業新聞社)など。