2016年はVR(仮想現実感)元年といわれます。「Oculus Rift」を始め、HTC社の「HTC Vive」、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの「PS VR」と一般ユーザーを狙ったVR用ヘッドマウントディスプレー(HMD)が販売されるからです。このVRの研究を、第1期ブーム(1990年前後)から支えてきたのが東京大学 教授の廣瀬通孝氏です。前編は、VRの歴史を振り返ります。(編集部)

(写真:栗原 克己、以下同)
(写真:栗原 克己、以下同)
廣瀬 通孝氏
東京大学大学院 情報理工学系研究科
知能機械情報学専攻 教授
1977年東京大学工学部産業機械工学科卒業、1979年同大学大学院修士課程修了、1982年同大学大学院博士課程修了。同年東京大学工学部産業機械工学科専任講師、1983年同大学助教授、1999年同大学大学院工学系研究科機械情報工学専攻教授。同年同大学先端科学技術研究センター教授、2006年より現職。主にシステム工学、ヒューマンインタフェース、バーチャルリアリティの研究に従事。工学博士。1996年、日本バーチャルリアリティ学会の設立に貢献し、会長を務めたのち現在同学会特別顧問。東京テクノフォーラムゴールドメダル賞、電気通信普及財団賞などを授賞。主な著書は、『技術はどこまで人間に近づくか』(PHP研究所)、『バーチャル・リアリティー』(産業図書)、『バーチャルリアリティー』(オーム社)、『電脳都市の誕生』(PHP研究所)など。趣味は鉄道模型とマンガ。