中村 大介(なかむら・だいすけ) 高収益化支援家、弁理士
中村 大介(なかむら・だいすけ) 高収益化支援家、弁理士
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 本連載の第1回にも書きましたが、このコラムのタイトルは、大河ドラマ「真田丸」から取りました。もともと私は大河ドラマを含む歴史ドラマ好きで、たくさんの番組を見てきましたが、その中でも真田丸はとりわけ面白いと思います。

 そこで、真田丸の評判が気になってネット検索をしてみました。すると、評価が賛否両論いろいろある中で、視聴率は概して悪くないようです。私は、ドラマの分析や批評はできませんが、放送時間中は目を離せません。それは、登場人物の感情の浮き沈みを細かく表現していたり、物事をハッキリ描かずに視聴者に解釈の余地を残していたりするなど、じっと見ていたくなる工夫が随所にちりばめられ、私のような素人は大変面白く感じています。

 例えば、徳川家康の描き方。家康が落ち着かない様子で自分の爪を噛んだり、その行為がたしなめられたりするシーンがありましたが、これは、多くの方が持つ、いわゆる家康のイメージとは違うものだと思います。実際、視聴者からは「家康はああいうキャラクターではない」という批判もあるそうですが、このドラマでは、主役だけではなく、家康をはじめとする多くの脇役たちにもちゃんと個性を持たせることで視聴者の記憶に残る仕掛けがなされているように思います。

 大河ドラマに限らず、ドラマや映画では脚本がその出来不出来に大きな影響を与えるのは周知の事実です。脚本が面白くなければ、原作や俳優がどんなに素敵でも映像作品としては魅力あるものになりません。実は、このような関係が、知財と研究開発テーマの関係によく似ているのです。