自動車開発の企画DR

 例えば、自動車開発の企画DRの内容を見てみましょう。

目的:車両または装置検討書のレビュー
内容:(1)開発提案書との整合性、(2)車両検討書と装置検討書の整合性、(3)目標品質の裏付け

といった内容になります。

 この目的と内容を検討するために、どのような資料を準備しなければならないかを標準的に決めておく必要があります。例えば、(3)の目標品質の裏付けの部分は、以下のような資料を基に目標品質の議論をしていくことになります。

①主要装置の概要や開発日程、諸元および性能の比較
②品質表(セールスポイントや他社比較)
③性能トレンド表、技術動向
④クレーム分析表、不具合事例集
⑤目標品質
⑥法規動向
⑦工法設備計画書
⑧サービス計画書(部品供給体制整備性)
⑨デザイン構想書
⑩DRBFM

 これらの内容は、あくまでも標準的に決められるべきものです。開発によっては、上記以外の資料が必要となる場合もあることでしょう。

 このように、DRは目的を決めるだけではなく、どのような議論をしなければならないかを想定した上で、提出する資料を整備しておく必要があるのです。あらかじめ決めておく利点は、設計担当者が違っても同じ資料が提出されること。これにより、資料を読むポイントがレビュアーに分かりやすくなります。すると、課題抽出と対策の方向付けに議論を集中することができ、問題の未然防止の精度が向上するのです。すなわち、設計品質が向上することになります。これぞ、まさにフロントローディング活動です。

 次回は、[5]のチェックリストの作成と[7]のDR実施体系図について説明します。