中国のIT大手企業の百度は、自動運転に関するプラットフォームをオープンソース化する「アポロ計画」を始動した。2017年7月5日に中国・北京で百度が「百度AI開発者会議」を開催し、自動運転プラットフォーム「Apollo 1.0」を無料公開した。
百度のグループ社長兼最高執行責任者(COO)陸奇氏の発表によれば、「Apollo計画」はソースコード、運転トレーニング・データ、運転能力といった3つのレベルのオープンソース化を行う。さらに「これからは、2カ月ごとに1回の頻度でバージョンアップして自動運転の能力を向上させる」とも表明した(図1)。
「Apollo 1.0」は、「Reference Vehicle Platform」「Reference Hardware Platform」「Reference Software Platform」「Cloud Service Platform」の4層構造となっている(図2)。今回公開したのは、運転の電子制御や計算ユニット、DuerOSなど上記構造の中の一部だった(図2の紫色の部分)。「これらを利用すれば、ゼロからでも3日間で基本的な自動運転車を作れた」(陸氏)と、米ベンチャー企業AutonomouStuff社の実例を紹介した。また、会場ではAutonomouStuff社の自動運転車の実車も展示した。
さらに、「Apollo 1.0」の実力をアピールするために、百度会長兼CEOの李彦宏氏が「Apollo 1.0」を搭載した自動運転車に乗車し、自動運転の状態で北京の「五環」高速道路を走行した(図3)。実験を除いて、公道での自動運転車の実走行は中国で初めてのことだった。自動運転の動画では、道路状況に応じて車線変更を3回も行われた。しかし、車線変更前にウインカーの点滅をしなかったことや車線変更禁止の実線でも車線変更をしてしまったことなどから、「Apollo 1.0」はまだ初歩的なものであることが露呈した。