ドイツ・ニュルブルクリンクで量産車として世界最速のラップタイムをたたき出したイタリアLamborghini社のスーパーカー「ウラカン・ペルフォルマンテ」。そこには様々な先端技術が搭載されているが、中でも注目すべきは「エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アッティーヴァ(ALA)」と呼ぶ車両のダウンフォース(あるいは路面から車体に加わる抗力)を能動的に変化させる技術である。フロントとリアのスポイラーに適用した。高速・高加速な直進走行時、制動時、コーナリング時と走行状況に応じてフラップを開閉することでダウンフォースを変化させる。

 リアスポイラーの場合は、その翼を支える左右の支柱の根元から支柱や翼の内部を通って、翼の下面に設けたスリットへと空気を導く流路(翼内部の流路は左右で独立)を形成した(図1~3)。各支柱の根元前方にエアダクトを設け、このエアダクトと支柱の境目の辺りにフラップを配する(図4)。

図1 ウラカン・ペルフォルマンテのリアスポイラー
図1 ウラカン・ペルフォルマンテのリアスポイラー
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図2 リアスポイラー内を空気が流れるときのイメージ(写真の左下の画像)
図2 リアスポイラー内を空気が流れるときのイメージ(写真の左下の画像)
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図3 リアスポイラーのカットモデル
図3 リアスポイラーのカットモデル
垂直に立っている部分が支柱。床に設置している部分が翼。支柱は本来は筒状になっているが、写真はカットモデルで内部がむき出しになっていることから、流路が形成されている様子が分かる。一方、翼は下面が表に見えており、空気翼内部からが出ていくスリットが設けられているのが分かる。
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図4 エアダクトと支柱の境目付近に設けられたフラップ
図4 エアダクトと支柱の境目付近に設けられたフラップ
赤丸で囲ったところにフラップが配置されている。
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