ダイハツ工業は2017年5月、軽自動車のベース車両となる2代目「ミライース」を発売した。軽自動車に求められる低価格・低燃費に加えて、今回は安全・安心機能を追求した。開発責任者で車両開発本部エグゼクティブチーフエンジニアの南出洋志氏に、新型ミライースや今後のダイハツの方向性について聞いた。
━━2011年9月に発売した初代ミライースは、低燃費・低価格で話題となった。
当時はとにかく燃費性能への期待が高かった。自動車業界では、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)に次ぐ、第三のエコカーとしてミライースを位置付けることができた。
初代ミライースの開発は、全社プロジェクトの一つで、各部署のエースを専任要員として集めた。当時の全社プロジェクトは、BRSP(ビジネス・レボリューション・三大・プロジェクト)と呼ばれており、ミライース、海外向け車両、エンジンの三つがあった。
━━新型ミライースの開発はそこまで大規模にはできなかった。
2代目ミライースの開発は、エンジンやサスペンション、ボディーなど各部署の技術者が兼任で参加するという「同期設計」方式を採用した。最近の車両開発はこの方式が多い。開発責任者の私が各部署の人事権を持つ室長クラスの人と開発の方向性をすり合わせ、技術者に兼業してもらえるよう協力を要請する。