ダイハツ工業とトヨタ自動車は、6年ぶりに全面改良して2016年4月12日に発売した小型車の新型「ブーン/パッソ」について、50歳以上の男女をメインターゲットに据えて販売する計画だ(図1、図2)。
ブーン/パッソなどが属する排気量1.0Lクラスの小型車(コンパクトカー)は、軽自動車と小型ハイブリッド車(HEV)の間に挟まれて販売が苦戦している。新型モデルの企画・設計・開発を主導したダイハツ開発本部製品企画部のエグゼクティブチーフエンジニアである正木淳生氏は、「コンパクトカーは存在価値が問われる状況になっていた」という。
そこでダイハツは、コンパクトカーの存在価値を高めることを目指して今回の新型モデルを開発した。具体的には、子供がひとり立ちした50歳以上のシニア層に受け入れてもらえるように改良を施した。「新型モデルによって、これまで軽自動車に流れていたシニア層を取り戻したい」(正木氏)と強調する。