スズキが2016年3月9日に日本で発売した小型ハッチバック車の「バレーノ」は、Bセグメント向けの新プラットフォームを初めて採用し、ボディー骨格の46%(質量比)に高張力鋼板を使って軽量で高強度のボディーを実現した(図1)。
ボディー骨格への高張力鋼板の使用比率の内訳は、440~780MPa級の冷間プレス材が30%、980MPa級の冷間プレス材が16%である。このうち980MPa級はセンターピラーやフロントピラー、サイドシル、フロントシートフレーム、バンパービームなど最も強度が要求される部位に使った(図2)。
一方、440~780MPa級の高張力鋼板を使ったのは、ルーフレールやルーフピラー、フロントサイドメンバーなどの部位である。こうした高張力鋼板の使い方は、同社が新たに開発した軽量プラットフォームの設計思想に基づく。