衝撃を吸収する装置。上がつぶれる前、下がつぶれた後。
衝撃を吸収する装置。上がつぶれる前、下がつぶれた後。
[画像のクリックで拡大表示]

 ボルボ・カー・ジャパンが発売するSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「XC90」には、「世界初」(同社)の安全装置「道路逸脱事故時保護システム(run-off road protection)」を搭載する。道から逸れて溝に落ちるような場面で、乗員が座面から受ける衝撃をやわらげる。背骨付近に加わる上下方向の力を1/3程度に抑えられるという。

 溝に落ちるような事故のとき、体が折れ曲がることに加えて、上下方向に荷重が掛かることで背骨の骨折などにつながることが多い。新開発の安全装置は、まず車載カメラなどで溝に落ちそうなことを推定する。次にシートベルトを少し巻いて体を固定し、浮き上がりにくくする。その後、車体が溝に着地して体に衝撃が加わるとシートの座面とシートフレームの間に配置した「複数のパチンコ玉のような鉄球」(ボルボ・カー・ジャパン)がつぶれ、衝撃を吸収する。