第5世代移動通信システム「5G」。早ければ2020年にも商用化される、この移動通信システムを理解するには、5Gで検討されている様々な無線技術に加え、コンピューターやネットワークの仮想化、4GシステムであるLTEなど幅広い知識が必要だ。このコラムでは5Gに関わる技術の用語について、幅広く、分かりやすく解説する。
5G用語辞典
目次
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MuLTEfire
マルチファイアー
非免許の周波数帯(アンライセンスバンド)を使った単独で動作する米Qualcomm社が開発を進めているLTEシステムの呼称。無線LANで利用されている5GHz帯を使うことをまずは想定しているとみられる。
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ITU-R
アイティーユーアール
International Telecommunication Union Radiocommunication Sector。通信分野における国際連合の専門機関、国際電気通信連合(ITU)の無線通信部門(Radiocommunication Sector)。無線通信システム同士が相互干渉しないよ…
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AllJoyn
オールジョイン
AllJoynは、ヒトやモノの周囲にある近傍の機器の連携を実現するための開発フレームワークである。米Qualcomm社が開発した技術だが、Linux Foundationが設立した「AllSeen Alliance」にソースコードが移管され、ここでオープンソース化されるとともに、仕様策定や機能追加…
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5G PPP
ファイブジー ピーピーピー
5G Infrastructure Public Private Partnership。ヨーロッパの通信産業発展のための戦略的な官民協力体制。欧州連合(EU)の政策執行機関である欧州委員会(EU Commission)により2013年12月に開始された8つのPPP(Public Private P…
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eSIM
イーシム
Embedded SIMとも呼ぶ。今後市場の拡大が予想されるM2M(Machine to Machine)向け通信用のSIMの仕様である。スマートフォンなどに使われる現在のSIMとは異なり、着脱できないのが特徴(図1)。小型であり、内蔵基板に直接実装する。機能やセキュリティー強度などは従来のSIM…
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NFV(network functions virtualization)
エヌエフブイ
通信機器メーカーが開発した専用装置が長年担ってきた通信事業者のインフラを、汎用のx86サーバーとその上で動くソフトで置き換えるという概念やその実装技術のこと。通信機器専用に製造されたICや動的に回路が構成可能なFPGAなどのハードウエアが中心的な役割を果たしてきた通信機器を、汎用サーバーとその上で…
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LTE-M
エルティーイーエム
スマートメーターやセンサーノードといった端末での通信に向けて開発検討が進められているLTE機能群の総称。3GPPにおいてRelease 11から順次機能規定がなされ、現在は2016年に仕様確定予定のRelease 13に向けて機能追加の検討がされている。5Gでは、IoT/M2M向け通信を主要なユー…
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SDN
エスディーエヌ
Software-Defined Networkingの略。その名の通り、ソフトウエアで定義可能なネットワークシステムのことを指す。
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Mobile Edge Computing(MEC)
モバイル エッジ コンピューティング
移動通信網のエッジである基地局などに、コンピューティングリソースやストレージを配備し、新たなアプリケーションやサービスの提供を可能にする仕組み。ヨーロッパの標準化団体であるETSI(European Telecommunications Standards Institute)において、2014年…
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5G(第5世代移動通信システム)
ファイブジー
第4世代移動通信(4G)の後継仕様と位置づけられる次世代の移動通信の通信方式のこと。韓国では2018年に平昌で開催される冬季オリンピック、日本では2020年に東京で開催される夏季オリンピックに合わせる形で、サービス開始を目指している。
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LAA
エルエーエー
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ミリ波(mmWave)
ミリハ
30GHz~300GHzという非常に高い周波数帯を指す。波長が10mm以下になることからこの名前で呼ばれる。直進性が強く、障害物に対して回り込まないなど光に近い電波特性があるため、これまであまり移動通信には用いられることはなかった。しかし、第5世代移動通信システム(5G)において活用が期待されてい…