3)送配電の広域化・中立化
広域系統運用機関
送配電などの業務支援機関である電力系統利用協議会(ESCJ)に代わり、全国で広域的な運用を行う制度を送電インフラの整備と併わせて進めていく。具体的には、強い情報収集権限・調整権限に基づいて広域的な系統計画の策定や需給調整を行う「広域系統運用機関(仮称)」を設立する。ESCJが定めてきた電力系統利用協議会ルールについては、必要な見直しを加えて、新機関で策定し運用する。
送配電部門の中立性確保
今後、小売全面自由化などの改革を進めていく中で、送配電部門について一層の中立化を行う制度上の措置を講じる。発電分野や小売分野で全面的な自由化を行ったとしても、送配電部門においては引き続き地域独占になるので、総括原価方式や認可制などの料金規制を講ずる。このように送配電部門については、引き続き地域独占などの制度を残したうえで、発電、小売分野での多様化・自由化を行う。そのためには、さまざまな事業者が送配電網を利用できるように送配電網の中立的な運営が必要となる。そこで、法的分離により、送配電部門の一層の中立化を図る。
4)その他
電力システム改革を貫く考え方は、同じエネルギー供給システムであるガス事業においても整合性を持たせるべきであり、ガス市場における競争環境の整備も必要になる。