電力用語辞典
目次
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節電・省エネルギー
セツデン・ショウエネルギー
「節電」と「省エネルギー」の二つの用語はよく似ており、その時々の雰囲気で使われていることもありそうだ。ここでは、その具体的な意味を考えてみることにする。ただし、省エネルギーの概念には、ガソリンの節約、ガスから電力への転換(もしくはその逆)なども含まれるのが一般的だが、ここでは電力の領域に限らせてい…
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メリットオーダー
メリットオーダー
メリットオーダー(merit order)とは、様々な種類の発電所を発電コストの安い順に並べたものを指す。このときの発電コストとは、経済用語で言うところの「限界コスト」であり、主として火力発電所の燃料コストが相当する。
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メタンハイドレート
メタンハイドレート
近年、メタンハイドレート(通称:「燃える氷」)と呼ばれる氷状の固体物質に注目が集まっている。メタンハイドレートは、天然ガスの主成分であるメタンが低温かつ高圧下において、シャーベット状に固化(体積比で約160~170分の1に凝縮して結晶化)したものである。
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再生可能エネルギー熱
サイセイカノウエネルギーネツ
暖房や給湯のための熱を得るために太陽熱などの再生可能エネルギーを用いることを再生可能エネルギー熱利用と呼ぶ。1980年代にブームとなった太陽熱温水器が再生可能エネルギー熱利用の典型例である。
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燃料電池
ネンリョウデンチ
燃料電池(Fuel Cell)とは、水に電気を流して水素と酸素を取り出す「水の電気分解」と逆の化学反応を利用して、水素と酸素を反応させて電気を取り出す装置のことである。
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再生可能エネルギー
サイセイカノウエネルギー
再生可能エネルギー(Renewable Energy)とは、石油や石炭、天然ガスといった有限資源である化石燃料とは異なり、自然現象を利用した永続的に利用可能なエネルギー源を指す。再生可能エネルギーの特徴は「どこにでもある」「限りがない」「クリーン」の3点である。
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リアルタイム市場
リアルタイムシジョウ
リアルタイム市場とは、電力系統運用者が、給電エリア全体の需要量と供給量をリアルタイムに一致させるのに必要な需給調整能力(発電能力やネガワットなど)を手に入れるための調達市場のことをいう。
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ISO/ITO
Independent System Operator/Independent Transmission Operator
日本においても、一般電気事業者の「発電部門」と「送・配電部門」を分離する、いわゆる発送電分離の議論が経済産業省の電力システム改革専門委員会などで行われている。発送電分離の手法としては、今のところ主に(1)機能分離と(2)法的分離の2案で議論されている。ここでは、これらの議論のベースとなっている諸外…
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発送電分離
ハツソウデンブンリ
経済産業省の電力システム改革専門委員会などの場において、電力会社の「発電部門」と「送・配電部門」の事業を分ける発送電分離の議論が本格化している。
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HEMS
Home Energy Management System
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コジェネ
コジェネ
発電システムでは、石油、石炭、液化天然ガスなどの燃料にするエンジンを動力源にしてモーター(発電機)を回すことで電力を得ている。しかしエンジンの排気にも、まだたくさんの熱が残っている。この熱をさらに活用すれば燃料の利用効率が上がりそうなことは、誰もが想像することだろう。そこで、排気に残っている熱を回…
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BEMS
Building Energy Management System
BEMS(ベムス、Building Energy Management System)という単語を最近よく耳にするようになった。建物に設置された設備や機器の運転データ/エネルギー使用量データを蓄積・解析し、効率よく制御することでエネルギー消費量の最適化/低減を図るシステムである。
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最終保障サービス
サイシュウホショウサービス
「最終保障サービス」とは、一般電気事業者が需要家に対して、電力を供給する義務(電気の供給を拒んではならない)を指す。通信でいうところのユニバーサル・サービス制度やラストリゾート機能に近い意味である。
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1時間前市場
1ジカンマエシジョウ
現在、日本卸電力取引所が扱う短期の電力取引市場には、実際の発電と消費(これを「実需給」という)の1日前に取引する「電力スポット市場」と、当日になってからの需給のミスマッチに対応できるように実需給の4時間前に売買する「時間前市場」が存在する。これに加え、実需給の1時間前でも売買可能な「1時間前市場(「…
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卸電気事業者
オロシデンキジギョウシャ
卸電気事業者とは、一般電気事業者に電気を供給するもののうち、その発電出力が合計200万kWを超える事業者を言う。電気事業法で定義された電気事業者の形態の一種であり、現在は「電源開発株式会社」と「日本原子力発電株式会社」の2社が相当する。端的には「大きな発電会社」と言える。
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常時バックアップ
ジョウジバックアップ
「常時バックアップ」とは、新電力が需要家に対して電力を供給する(小売りする)際、需要家が求める電力に供給量が足りないとき、一般電気事業者から一定量の電力を継続的に融通(卸売り)してもらう形態をいう。
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送電網の広域運営
ソウデンモウノコウイキウンエイ
東日本大震災では、大型火力発電所や原子力発電所の被災・停止により東京電力管内で“計画停電”が実施され、市民生活や経済活動に大きな影響が生じた。その際に言われたことが、健全であった中部電力以西の電力を東京電力エリアに送電できなかったのか、ということである。
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高効率太陽光発電
コウコウリツタイヨウコウハツデン
太陽光発電とは、太陽の光を電気エネルギーに変換して、電力として取り出すものである。基本的な原理は、PN接合した半導体に光が照射されると電圧が発生する物理現象を利用して電流を取り出す。正確な定義は「JIS C 8960 太陽光発電用語」で規定されており、「太陽光のエネルギーを直接電気エネルギーに変換…
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電力スポット市場
デンリョクスポットシジョウ
電力スポット市場とは、卸電力取引所が開催する最もポピュラーな電力取引市場の一つであり、翌日に発電または販売する電気を前日までに入札し、売買を成立(マッチング)させるものである。このため、1日前市場と呼ばれることもある。英語ではDay-ahead marketと表現される。
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核燃料サイクル政策
カクネンリョウサイクルセイサク
核燃料サイクルとは、原子力発電で使い終わり、原子炉から取り出された「使用済み」の核燃料を再処理し、核燃料として再び使用するための一連の流れ(仕組み)を指す。「原子燃料サイクル」とも言う。