head mounted display HDD

 HMD(head mounted display)の方式の一つ。光学透過型では,自然な視界に,必要に応じて加工した情報や映像を重ねる。ユーザーの視界をすべて遮断し,代わりにビデオ・カメラで撮影した映像だけを見せる「ビデオ透過型」とは異なる。光学透過型のHMDの特徴は,小型・軽量であること。まだ開発途上のものがほとんどであるが,それでも,いくつかは既に一般の眼鏡やサングラスとサイズで大差がなくなっている。ただし,小型・軽量化を優先した結果,重畳した映像の視野の広さを示す「画角」は狭い。ビデオ透過型のHMDでは50度以上あった画角が,光学透過型のHMDでは9~35度と大幅に減少した。

 光学透過型HMDの多くは,マイクロディスプレイと呼ぶ超小型パネルの映像を,小型の光学レンズを介してメガネのレンズ部分に通し,さらにそこから何らかの技術で反射させることで目に映像を送り込んでいる。

 各メーカーは,視界と重畳映像の明るさ,鮮明さを高い水準で両立させるため,マイクロディスプレイからの光を目に送り込むまでの技術にそれぞれ独自の工夫を加えている。例えば,オリンパスが採用する「瞳分割方式」や,ソニーやコニカミノルタが取り組む,ホログラフィック・フィルムをメガネのガラスに張る方式などがある。