光学サイズは,標準的な撮像素子の寸法表記法である。通常,1/2.33型(英文では1/2.33")といった分数を用いる。分数の値が大きいほど原則として,レンズ・ユニットの外形寸法や撮像素子のチップ面積が大きく,高コストになる。

 分数部分は,撮像素子中の撮像部(チップ面中で画素が集まっている領域)の対角長を表す。1/2型より大きい(あるいは以上の)撮像素子では,18mmに分数部分を掛けると,大まかな対角長を求められる。1/2型以下(あるいは未満)の撮像素子では,16mmに分数部分を掛けることで,対角長を大まかに得られる。

 伝統的な分数を用いた表記法は,基準値が二つあるなど分かりにくい。このためソニーでは近年,分数とミリ単位の対角長を併記している。撮像素子の寸法表記法はこれまで,他社がソニーに合わせてきたという経緯があるため,今後は併記式が普及する可能性がある。

 分数による寸法表記は分かりにくいが,かつては撮像素子の採用を促進する効果があった。撮像素子以前に普及していた撮像デバイスは,直径16mmの撮像管である。撮像素子メーカーは,撮像管を基準に撮像素子の撮像部がどれくらい小さいのか分数で示した。これにより設計者は,レンズの仕様をに容易く思い浮べることができた。

 上記のように小型撮像素子では対角長計算に16mmではなく18mmを用いる。この原因は,本来ならば1/3型でないCCDが1/3型と位置づけられて普及したことにある。ソニーは1990年に,ビデオ・カメラに向けて撮像部の対角長が6mmの小型CCDを発売し,ヒットさせた。この品種は「16mm基準」では1/2.66型だが,実際には値を丸めて1/3型と呼ばれた。このことを契機に,1/2型以下(あるいは未満)の品種の基準値は,18mmになった。

 最後に,光学サイズと総画素数,画素ピッチの関係を図で示す。画素ピッチとは,撮像素子の撮像部に敷き詰められた二つの画素の中心を結ぶ距離のこと。このピッチが短いほど,所定光学サイズでの画素数が増えるが,感度は低下する傾向がある。

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