capacitive touch sensor

 タッチ・センサの検出方式の一種である。米Apple Inc.「iPhone」などに採用され,最近注目を集めている。

 静電容量方式には,大別して検知の手法に応じて表面型(surface capacitive type)と投影型(projected capacitive type)の2種類がある。表面型は主にATMやアーケード・ゲーム機など10型以上の大型品に搭載されている。投影型は携帯電話機などの携帯機器に搭載されている。

 表面型は一般に,表面にあるカバー層と基板層にある導電膜,4隅の電極で構成される。この電極に電圧を印加して,パネル全体に均一な電界を形成する。画面に指が触れると,4隅から指を経由して電流が流れ,その4隅から流れた電流の比率を測定して場所を特定する。投影型のような電極パターンを形成する必要がないので,構造がシンプルでコストを抑えられる。ただし,2点以上の接触を検出するのは難しい。

 一方,投影型はプリント基板や透明フィルム上に電極パターンを形成し,指が接近して生じた電極間の静電容量の変化を検出する方式である。電極パターンは,使用する製品ごとにカスタム化される場合が多い。2点以上の接触を検出できるのが特徴。小さくしても正確に指入力を検知できるので小型品に向く。ただし,10型以上の大型品に対応させるのは難しい場合がある。シート抵抗値が高くなったり,位置検出に必要な演算量が増えたりするからだ。

 従来は静電容量方式のタッチ・パネルといえば,出荷台数からいって表面型を指す場合がほとんどだった。最近では,多点検知ができる投影型が携帯機器で採用を急速に伸ばしている。