Darlington circuit

 2個のトランジスタを用意し,まずコレクタ同士をつなぎ,さらに1個目のトランジスタのエミッタを2個目のトランジスタのベースに接続する使い方をダーリントン接続と呼ぶ。コレクタと,1個目のトランジスタのベース,2個目のトランジスタのエミッタをそれぞれ外部の回路に対してつないで使う。つまり,接続後の回路全体が1つのトランジスタのように動作する。

 こうすると,電流増幅率を非常に高めることができる。具体的には,それぞれのトランジスタの電流増幅率をhFE1,hFE2とすると,ダーリントン接続の等価的な電流増幅率はhFE1×hFE2(それぞれのトランジスタの電流増幅率の積)になる。2個のトランジスタだけではなく,さらに多段でつなげば,どんどん電流増幅率を上げられる。

 こうした特性を生かし,オペアンプ内や,オーディオ・パワーアンプの最終段などで使われることが多い(パワートランジスタは一般に電流増幅率が低いので,2個目にこれを使い,1個目に電流増幅率の高いトランジスタを使うことで,全体として電流増幅率が高くて大きなコレクタ電流を流せる素子をつくることができる)。