operational amplifier

 演算増幅器とも呼ばれる。反転入力と非反転入力と呼ばれる二つの入力端子と一つの出力端子を持つ増幅器。DIP型とTO-5型のものなどがある。オペアンプの動作には正負の同じ大きさの電圧+Vcc と−Vcc の電源が必要で,一般には±15Vの電源が使用される。

 オペアンプの基本動作は次の通りである。

 非反転入力端子に電圧を加えると,出力端子には入力と同じ極性の電圧がA0倍(増幅度)されて出る。反転入力端子に電圧を加えると,逆極性の電圧がA0倍されて出る。ただし,出力が+Vcc 以上,または−Vcc以下になることはない。

 オペアンプの二つの入力端子に同時に電圧を加えると,非反転入力端子に加えた電圧から,反転入力端子に加えた電圧を引いた値をA0倍して出力する。オペアンプは電圧増幅度が普通のもので20万倍程度もあり,極めて大きい。また,オペアンプの入力抵抗は極めて大きく,入力電圧を加えたときにオペアンプに流れ込む電流は無視できる。出力抵抗は数10Ωの大きさがあるが,負帰還をかけて使用する場合には開ループ利得をA0,回路の増幅度をA とすると,出力抵抗はA/A0となって,非常に小さい値になる。オペアンプは増幅周波数帯域が0から数10kHzまで伸びており,ほとんどすべての周波数の信号に対して極めて大きい増幅度を持っている。

 オペアンプは極めて広い応用がある。例えば比較器,シュミット・トリガ回路,バッファ回路,反転増幅回路,差動増幅回路,加算器,積分器,ピークホールド回路,定電流回路などを構成することができる。