PEFC:polymer electrolyte fuel cell

 電解質にポリマ(高分子)を使った燃料電池で,80℃程度の低い温度で運転でき,50~60%と高いエネルギー変換効率が期待できる。この電解質が開発されたことで,燃料電池の自動車への応用が可能になった。

 米DuPont社のフッ素系電解質膜「Nafion」が有名だが,フッ素樹脂を使わない安価な炭化水素系膜の開発も進んでいる。

 実際の燃料電池はこの電解質膜を多数積層して作るが,水素や空気,生成水などの細かい流路を確保しながら効率と耐久性を同時に達成し,なおかつこの化学反応システムを安価に作ることは難しい。最近は,電解質膜を挟むセパレータという部品をカーボンからステンレス鋼に置き換える研究が進んでいる。ステンレス鋼なら複雑な流路がプレス加工で一体成型できるので,大幅なコストダウンが可能になる。