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電子制御ユニット(ECU)とは

デンシセイギョユニット

2006/03/27 13:34
出典:カーエレクトロニクス テクニカルターム、 (記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
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electronic control unit

 エンジン制御などのパワー・トレーン系,エアコン制御などのボディ系とも,制御の内容が高度化するだけでなく,制御するシステムが増えたために搭載するECUが増えている。クルマ1台当たりのECU搭載数は,1992年~1993年ごろまで30個程度だったのが,今では50個~60個に達するという。これに伴い,狭い個所にECUを収めるための小型化技術が重要になってきた。

 小型化手段は大きく2つ。1つは,ECUに搭載する部品点数を減らすことである。マイコンやアナログ回路,パワー・トランジスタをアナログ・デジタル混載技術で1チップに集積する。もう1つは,プリント配線基板の放熱性を高め,熱源となるパワー・トランジスタをマイコンなどと高密度に実装することである。

アナデジ混載チップや放熱基板で小型化

 デンソーは32ビット・マイコンやSRAMといったデジタル回路と,A-D変換回路,パワー・トランジスタを1チップに集積し,ECUの小型化を実現している。エアバッグ制御用ECUに使った場合,実装する部品点数は120個から60個に半減したという。

 さらに,このECUではアナログ・デジタル混載技術に加え,SOI基板を使っているのが特徴である。回路は,幅2μmのSiO2を埋め込んだトレンチ構造と,SOI層と基板間にある厚さ1.3μmのSiO2層で絶縁分離されている。回路を電気的に絶縁分離するためにpn接合を使う場合に比べ,トレンチ構造によって回路間距離を約1/10に縮められ,チップ寸法を小さくできる。基板と回路層の絶縁分離にpn接合を使わないので,ラッチアップも発生しない。

 日本シイエムケイはプリント配線基板の改良で実装密度を高めている。Al基板と熱伝導率が高い絶縁体層を使うことで,ECUの放熱性を高めたプリント配線基板を開発した。さらに,モータ駆動用に数十Aが必要なパワー・トランジスタを実装できるように基板中に厚さ250μmのCu配線を配置した品種も開発した。後者は,クルマの電子化によって機構部品が電動アクチュエータに切り替わるに従い,引き合いが伸びるとみる。アクチュエータの駆動には,高出力パワー・トランジスタが必要だからだ。

 このほか,100Aを超える投入電流が必要な部品を実装できるプリント配線基板も開発中で,2006年第1四半期に開発が完了する予定だ。電気自動車やハイブリッド車への適用を狙う。絶縁体をコアとし,基板表面に厚さ400μmのCu配線を設ける。

EMI対策が重要に

 最新のECUでは,EMI(electro magnetic interference,電磁妨害)対策の重要性が増している。マイコンの動作周波数が急増しているからである。エンジン制御用マイコンの場合,10年で約4.5倍のペースで動作周波数が高まっている(図1)。ソフトウエアのコード数が20万行を超え,マイコンの動作周波数は100MHz程度にまで達するようになった。このため88MHz帯~108MHz帯のFMラジオなどカー・オーディオの音質を劣化させるEMIを引き起こしやすくなってきた。

 EMI対策としては,フィルタなどEMI対策部品や電磁シールドを実装することで解決はできるが,勘と経験で粘り強く対処しても,EMI対策が済むまでに数カ月かかる場合もあるという。パッチを当てるようにEMI対策部品を多数実装していては,部品コストもかさんでしまう。そこで,EMIを引き起こさない工夫を施したチップや,効率的にEMI対策部品をプリント配線基板に実装できるようにするシミュレーション技術が重要になっている。

10年で約4.5倍になる動作周波数
図1●10年で約4.5倍になる動作周波数
エンジン制御用マイコンの動作周波数は,1979年には2MHz程度だったが,2007年~2008年ごろには200MHz程度に達するとみられる。10年で約4.5倍のペースで,指数関数的に増加していることになる。(資料:ルネサス テクノロジ,写真:日立製作所)

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