traffic jam prediction

 カーナビがネットワークにつながるようになり,各社は渋滞予測機能の拡充に努めている。各社の渋滞予測機能は,過去のVICSデータをどこに持たせておくかという点で異なる。ホンダの「インターナビ・プレミアムクラブ」とトヨタ自動車の「G-BOOK ALPHA」は,カーナビ側ではなくサーバ側に保存している。ユーザーが渋滞予測機能を利用するたびに通信機能を使ってデータをダウンロードする。日産自動車の「カーウイングス」とパイオニアのハード・ディスク装置(HDD)内蔵カーナビ「サイバーナビ」は,カーナビ本体に過去の渋滞情報を記録している。カーナビ本体に記録してあれば過去のVICSデータをダウンロードする必要はないが,使っているうちにデータが古くなるという点は避けられない。

 トヨタは渋滞予測の精度を高めるために,独自開発の「3レンジ複合予測方式」を採用した。予測時間が現時点に近い方からショートレンジ予測,ミドルレンジ予測,ロングレンジ予測と3つのレンジに分け,この3レンジを組み合わせて最終的に渋滞を予測する。

 今すぐの予測については,過去のデータよりも現在のVICSデータに重きを置いたショートレンジ予測を主に利用する。ショートレンジ予測は,現時点の渋滞地点から,渋滞が周囲にどのように広がっていくかもシミュレーションする。ミッドレンジ予測は,現時点の渋滞情報と過去の渋滞情報の両方,ロングレンジ予測は,現在の渋滞情報は考慮せずに過去の情報から予測する。

 これらの3つの予測を組み合わせることで,渋滞の予測的中率が上がり,より適したルートや正確な目的地到着時間を求めることが可能になったという。

渋滞予測画面1
渋滞予測画面2 図1●トヨタの「G-BOOK ALPHA」の渋滞予測画面